• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

中世西欧文学の「間テクスト性」に関する文献学的・言語学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15320037
研究機関東京外国語大学

研究代表者

浦田 和幸  東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (50168762)

研究分担者 川口 裕司  東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (20204703)
黒澤 直俊  東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (80195586)
岩崎 務  東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (00151720)
キーワード中世西欧文学 / 間テクスト性 / 文献学 / 言語学 / Boethius / De Consolatione philosophiae
研究概要

ボエチウス(Boethius)原作の『哲学の慰め』(De Consolation Philosophiae)ほかを対象として、原文と翻訳、翻訳と翻訳などの「間テクスト性」に関する具体的考察を行った。
ラテン語に関しては、『哲学の慰め』の中世における各種ラテン語注釈書を比較検討し、注釈者の言語的あるいは思想的な観点の相違を観察するとともに、この作品の後世における翻訳への注釈の影響を考察した。また、『哲学の慰め』に含まれるオルペウス神話に焦点を当て、ギリシア・ローマ文学における伝承を調べるとともに、当該箇所に関する中世の注釈や翻訳に見られる語句を検討することによって、オルペウス神話をめぐる間テクスト性を考察した。
英語に関しては、ボエチウスのラテン語原文と照らし合わせて、チョーサーほかの『哲学の慰め』の各種中世英語訳テクストを比較検討し、言語的特徴を分析するとともに、当時の翻訳のありようについて具体的に考察した。
フランス語に関しては、『ガリア戦記』など古典期のラテン語を翻訳・編集した『ローマ人の偉業』(Li Fet des Romains)を中心に、中世フランスにおける翻訳について考察した。特に、人名や地名の固有名詞の扱い方について詳細に分析した。
ポルトガル語に関しては、『夫の庭』(Horto de Esposo)のテクストを伝承する二つの写本について、リスボン国立図書館で現地調査を行なった。同時に、日本では参照不可能だった関連するいくつかの研究についても調査した。テクストを伝承していた中世の二つの写本は、他に聖アウグスチヌスや他のラテン作家の作品の中世ポルトガル語訳等も伝承していることがわかり、先行研究のほとんどないこれらのテクストについて、今後の研究対象が広がった。『夫の庭』については、研究史やテクスト上の特徴について考察した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 西欧における国語の成立と現代2007

    • 著者名/発表者名
      黒澤 直俊(単著)
    • 雑誌名

      言語(大修館書店) 1月号

      ページ: 42-49

  • [雑誌論文] 英語史研究への誘い2006

    • 著者名/発表者名
      浦田 和幸(単著)
    • 雑誌名

      三色旗(慶応義塾大学出版会) 704号

      ページ: 8-13

  • [雑誌論文] Foundations of Usage-Based Linguistic Informatics(UBLL)2006

    • 著者名/発表者名
      川口 裕司(単著)
    • 雑誌名

      Spoken Language Corpus and Linguistic Informatics(Joho Ben jamins)

      ページ: 9-33

  • [雑誌論文] Usage-Based Approach to Linguistic Variation-Evidence from French and Turkish2006

    • 著者名/発表者名
      川口 裕司(単著)
    • 雑誌名

      Spoken Language Corpus and Linguistic Informatics(Joho Ben jamins)

      ページ: 247-267

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi