研究課題/領域番号 |
15320038
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
藤野 一夫 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (20219033)
|
研究分担者 |
九万田 直子 (寺内 直子) 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (10314452)
岩本 和子 神戸大学, 国際文化学部, 助教授 (60203410)
楯岡 求美 神戸大学, 国際文化学部, 助教授 (60324894)
小林 真理 東京大学, 人文社会系研究科, 助教授 (40257176)
|
キーワード | 文化政策 / 劇場 / 舞台芸術 / アートマネジメント / 都市文化 / ドラマトゥルギー |
研究概要 |
今年度は、定期的な研究会の他に「舞台芸術・芸能見本市2005大阪」において「芸術環境の国際比較研究セミナー:文化創造を辺境(フロンティア)から考える」というテーマでのシンポジウムを開催。グローバリゼーションに関心が集まる昨今、画一化に対する危惧もまた深まっているが、ひとはそもそも異なる文化的背景を背負っており、民衆歌としてのシャンソン、芸術表現とジェンダー表象、民族教育における民俗芸能の可能性などを手がかりに、普遍化されない文化の力について議論した(2005.7.25)。 (藤野)神戸文化ホール、兵庫県立芸術文化センター、びわ湖ホール等の運営状況について指定管理者制度の観点を中心に調査し、活性化委員会等において企画・運営上の知的支援を行った。またハンブルクに建設予定のエルプフィハーモニーのP.P.P方式など、ヨーロッパにおける文化施設運営の最新動向について調査した。 (岩本)東大駒場で開催された日本学術振興会人文・社会科学振興のためのプロジェクト研究事業<文学・芸術の社会的統合機能の研究>主催のシンポジウム「不思議の国?ベルギー・フランス語共同体の文学と芸術(文学・芸術の社会的媒介機能)」において、パネリストとして報告と討議を行った(2005.6.2)。(2005.7.25)。ベルギーにおける芸術文化政策の歴史的背景や現状を探る研究の一環として、言語法についての解説と翻訳をし、共著にまとめた。また、ベルギーのナショナリズム意識と芸術作品との影響関係について論文で考察した。 (寺内)ベルギー楽器博物館、および、ライデンの民族学博物館、シーボルト記念館において調査を行い、明治期における日本の文化政策として、どのような日本の音楽を、どのような方法によって海外に向けて発信していたかを調査、分析した。 (楯岡)20世紀初頭にロシアで確立した俳優術の国外への伝播と演劇の近代化(グローバル化)について、フランス・イギリス・アメリカで活躍したフョードル・コミッサルジェフスキーの演劇活動を軸に研究会発表およびシンポジウム(10月)を行った。また、ロシアにおける経済復興と商業演劇および小劇場活動の展開について現地調査(8月)を行った。 (小林)公共施設、とりわけ文化ホール運営への指定管者制度の導入による様々な影響、メリット、デメリットを中心に法的根拠のない公立芸術文化施設の運営とそれを設置した地方自治体に望まれる「見識」とは何かについて、多くのレクチャーや論考を公表し、日本の文化政策の将来デザインのなかでの舞台芸術環境の法的基礎付けを提言した。
|