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2005 年度 実績報告書

両大戦間のドイツにおけるゲルマンとスラブの文化接触とその歴史的意義

研究課題

研究課題/領域番号 15320041
研究機関同志社大学

研究代表者

松本 賢一  同志社大学, 言語文化教育研究センター, 助教授 (00309072)

研究分担者 諌早 勇一  同志社大学, 言語文化教育研究センター, 教授 (80011378)
山本 雅昭  同志社大学, 言語文化教育研究センター, 教授 (80066282)
高木 繁光  同志社大学, 言語文化教育研究センター, 助教授 (00288606)
キーワードワイマール共和国 / ドイツ / ロシア / ユダヤ / ナボコフ / ドストエフスキイ / ドイツ映画
研究概要

本年度は本共同研究の最終年度に当たるため、研究代表者および研究分担者は過去3年間にわたる研究作業を総括し、年度末までに一定の成果を出すことを目標とした。
具体的には、研究代表者松本は、ワイマール共和国時代のドイツにおけるドストエフスキイ流行の背景を検討し、19世紀の70年代に最も激越なものとなったドストエフスキイの汎スラヴ的、民族主義的言説が、すでに1906年に、ドミートリイ・メレジュコフスキイと、後に『第三帝国』を執筆することになる保守思想家メラー-ファン-デン-ブルックというプリズムを通してドイツに紹介され、メレジュコフスキイの特異なドストエフスキイ観をメラーが継承しているのではないかとの知見に達した。
また、研究分担者諫早は、この3年の間に再構築してきた亡命ロシア人のベルリン(Russian Berlin)という特殊な「場」についての知識を総動員し、従来の研究対象である亡命ロシア人作家ヴラジーミル・ナボコフの具体的な作品(『キング、クイーンそしてジャック』)に関してロシア語版と英語版を比較検討しながら細密な読解を行い、「大都市小説」の条件について新たな提言を行った。
研究分担者山本は、両大戦間のドイツにおけるユダヤ人問題を睨みつつ、ともすれば上滑りで感情的な議論に陥りがちのユダヤ人問題について、この3年間に得た幅広い知見を元にバランスの取れた、しかし鋭い問題提起を含む総論的なノートを完成した。
最後に、研究分担者高木は、驚異的ともいえる量の映画経験を基にして、ワイマール期から第二次大戦に至る時期のドイツ映画の特徴的なディテールを分析検討し、その方向性を単に時代精神や社会的動向に求めるだけでなく、ベンヤミンに依拠しつつ、「バロック的アレゴリー」という美学的分類に求め、併せて、映画製作におけるこの流れの強い影響力をも指摘した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] ニコライ・ストラーホフと「施し」の問題(2)2005

    • 著者名/発表者名
      松本 賢一
    • 雑誌名

      言語文化 第8巻第2号

      ページ: 285-312

  • [雑誌論文] RUSSIAN BERLIN2005

    • 著者名/発表者名
      諫早 勇一
    • 雑誌名

      言語文化 第8巻第2号

      ページ: 313-353

  • [雑誌論文] 無のフレーム2005

    • 著者名/発表者名
      高木 繁光
    • 雑誌名

      言語文化 第8巻第1号

      ページ: 169-192

  • [雑誌論文] ベルリンと映画---二つの「零年」をめぐって2005

    • 著者名/発表者名
      高木 繁光
    • 雑誌名

      言語文化 第8巻第2号

      ページ: 355-379

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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