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2004 年度 実績報告書

幕末明治期における漢詩文系作文書の総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15320042
研究機関東京大学

研究代表者

齋藤 希史  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (80235077)

キーワード作文 / 翻訳 / 天路歴程 / 森田思軒
研究概要

本年度は、昨年度に引き続き、明治前期における「作文」がどのようなものであったか、その全体を把握するために、東京大学・国会図書館・国文学研究資料館・京都府立総合資料館・東北大学図書館・大阪府立中之島図書館を中心に調査収集を行ない、海外では、フランス東洋語図書館にパリ万国博覧会に文部省が出品した当時の作文資料があることから、その調査収集にあたった。また、原本の購入も積極的に行った。収集方法は、マイクロフィッシュ複写、デジタルカメラによる撮影、A3対応高精細スキャナによる読み込みを中心とし、デジタルカメラおよびスキャナによるデータはもとより、昨年度購入したマイクロフィッシュスキャナによってマイクロフィッシュのデジタル化も可能となり、すべての画像データは電子化されている。
また、本年度は、より広い視野で明治前期における「作文」のありかたを捉えるために、イギリス人宣教師が漢文で翻訳した『天路歴程』とその和訳に関係する文献に着目し、積極的に調査と収集にあたった。「作文」には文体の選択が必然的に伴い、「作文書」はその指南となるべきものであり、漢詩文系作文書においては、伝統詩文がその規範的地位を占めていたわけだが、清朝末年には、キリスト教や西洋知識を漢文(中国古典文)に翻訳した大量の書物が流通し、日本における漢文のありかたもそれによって変容を遂げていた。本研究は、明治前期における漢詩文系作文書が、漢文と明治普通文とをつなぐ役割を果たしていることに着目するものだが、さらに、欧文→漢文→和文という文体変換の行為の中にそれを捉え直すことで、そこで目指されたものが別の角度から浮かび上がると考えたのである。また、漢文訓読文体による翻訳家と見なされている森田思軒についても、同様の視点から着目し、論考を著した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 漢文脈の近代2005

    • 著者名/発表者名
      齋藤希史
    • 総ページ数
      314
    • 出版者
      名古屋大学出版会

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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