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2003 年度 実績報告書

地域における定住外国人の主体的な日本語習得に関する縦断的調査・研究

研究課題

研究課題/領域番号 15320062
研究種目

基盤研究(B)

研究機関宮城教育大学

研究代表者

市瀬 智紀  宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (30282148)

研究分担者 高橋 亜紀子  宮城教育大学, 教育学部, 講師 (10333767)
助川 泰彦  東北大学, 留学生センター, 助教授 (70241560)
川上 郁雄  早稲田大学, 大学院・日本語教育研究科, 教授 (30250864)
キーワード定住外国人 / 自然習得 / 学習ストラテジー / 言語生活空間 / 日本語母語話者の支援 / コミュニティー内の会話 / 母語話者のネットワーク / 方言
研究概要

本年度の調査は、市瀬・川上・助川・高橋の4名によって行ない、以下のような研究実績が得られた。
1.宮城県内外の定住外国人の動向を把握するための調査活動
(1)地理学ソフトをつかって、宮城県各市町村の定住外国人の地域的な分布状況に関する分布図を作成した。このことにより、人数別、国籍別、地域別の定住外国人の分布状況を明らかにすることができた。
(2)宮城県国際交流協会が主催する地域日本語教室を対象とするセミナーに関わり、宮城県内の日本語教室の運営ボランティアと意見交換したほか、地域日本語教室を対象とする情報ネットワークに参加する機会を得た。
(3)宮城県の定住外国人の生活状況を把握するため、県内の定住外国人に対する生活説明会に参加した。
(4)宮城県以外の定住外国人の状況を理解するため、東京都武蔵野市の定住外国人や奈良県の在日朝鮮人に関するシンポジウムやセミナーに参加した。
2.宮城県内の定住外国人の主体的な言語習得に関する聞き取り調査
(1)中国、韓国、ブラジル出身の定住外国人とその配偶者述べ10名に対して、聞き取り調査を行った。
定住外国人にとって、来日間もない期間は、単語帳やノートをつくるなど、独自のストラテジーをたてて日本語の習得に努力している。またこの期間は配偶者やその家族など、周囲の日本語母語話者の関与が重要な役割を果たしている。学習がある程度すすむと、日本語の構造的な学習すなわち文法的な振り返りを必要とする。そのために日本語能力検定試験が一つの努力目標になっていることなどがわかった。
(2)平成13年度の非都市部での聞き取り調査と今年度の調査との比較研究を行った。
仙台市以外の地域(非都市部)の定住者は、同国人同士の付き合いは盛んだが、言語生活空間が限定されていた。また、夫や子どもとの必要最低限の日本語習得を目標としているが、日本語力や方言の問題もあって感情の伝達が思うようにできない。さらに、都市部とはちがって、家事労働の占める時間が多く、自主的に学習する時間がとれないこともわかった。
これらの調査の状況は、2003年度第11回日本語教育学会にて口頭発表したほか、後掲の各研究論文に反映されている。平成16年度は、インタビュー調査の範囲と人数、国籍を広げて継続調査する予定である。(特に宮城県大和町の日系ブラジル人労働者に関する聞き取り調査を準備している。)さらに移民を多く抱える先進諸国(カナダ・アメリカ・オーストラリア等)の事例と研究成果を研究に取り入れるため、海外でのフィールド調査を計画している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 市瀬 智紀: "中国人花嫁の日本語と中国語"言語. 6月号. 44-45 (2003)

  • [文献書誌] 市瀬 智紀, 川上 郁雄, 助川 泰彦, 高橋 亜紀子: "地域における定住外国人の主体的な言語習得に関する縦断的調査の中間報告"平成15年度日本語教育学会研究集会. (口頭発表). (2003)

  • [文献書誌] Kawakami, Ikuo: "Resettlement and Border Crossing : A Comparative Study on the Life and Ethnicity of Vietnamese in Australia and Japan"International Journal of Japanese Sociology (The Japan Sociological Society). No.12. 48-67 (2003)

  • [文献書誌] 川上 郁雄: "JSL教育学の構築へ向けた予備的考察-オーストラリアのESL教育の分析を通じて-"早稲田大学日本語研究教育センター紀要. 16号. 17-35 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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