研究課題/領域番号 |
15320070
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研究機関 | 聖徳大学 |
研究代表者 |
吉島 茂 聖徳大学, 人文学部, 教授 (50011309)
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研究分担者 |
小池 一夫 聖徳大学, 人文学部, 教授 (10225336)
福沢 周亮 聖徳大学, 人文学部, 教授 (30008700)
志賀 淑子 聖徳大学, 人文学部, 助教授 (90235515)
菅 英昭 聖徳大学, 人文学部, 助教授 (60234150)
長谷川 弘基 県立岡山大学, デザイン学部, 助教授 (80306456)
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キーワード | 対英語感情 / 全身反応学習 / 英語学習の意義認識 / primlangue / 教員世代間の意識差 / 初・中等教育の橋渡 / CEF / SFLL |
研究概要 |
1)英語学習を実施している公立私立小学校4年生から6年生を対象に英語に関する意識及び態度的学力について調査し、学年差、性差、および調査時期による児童の意識及び態度の変化を検討した。対英語感情には、学年的降下がみられる。平均では、4年生が5年生、6年生比べてポジティブなイメージをもっているが、これは一般的現象というより、好きな者と、嫌いな者の二分化が進んだこと、一方で英語学習の意義認識には学年差が認められないことが明らかとなった。 2)神奈川県藤沢市教育委員会英語部会で、小学校で英語教育を実施するための具体的な方策を検討し、小学校年2生のクラスで実験的に実践した。成果としては、英語が得意ではない小学校教員でも取り組むことができる英語活動のあり方について、方向付けができた。すなわち、英語の聞き取り理解だけでなく、全身で表現する意欲を伸ばす全身反応学習を目標にすることである。具体的には、「劇作り」の活動である。精神年齢の発達に応じた劇内容の選択によって、英語活動の小学校教育における意義も、学年ごとの意義も明確になるであろう。 3)フランス、フィンランド、中国上海、台湾台北、ベルギー、ドイツ・ベルリンでの外国語教育の実態調査。フランスでは政府をあげて9外国語を対象としてInternet-HPプロジェクトprimlangueを立ち上げ、小学校における外国語教育に本格的に取りかかった。これは小学校教員を対象とするコンサルタント、情報交換・議論のための掲示板、アーカイヴの役割を担っている。パリでは授業に対する市の経済的バックアップも積極的に行われ、教員間の連絡もよく行われているが、一方、教員世代間で外国語教育に対する意識の大きなずれがあり、今後克服せねばならない大きな問題である。フィンランドでは、英語圏に滞在経験のない英語教員が非常に優秀な授業を行い、成果を上げている事実があるが、そのよって来たるところを来年度に向けて分析する予定である。ドイツ・ベルリン市の二言語教育では、生徒が小学校から中等教育に進む段階に来ている。初・中等教育の橋渡しは、スペイン語、ようなマイナーな言語での方がうまく行っているとの印象を授業観察で受けた。その理由も今後の分析対象である。 4)EUでは、Common European Framework for Reference of Languages : Learning, teaching, assessment(CEF)を軸に、またアメリカではStandards for Foreign Language Learning in 21^<th> Century(SFLL)によって外国語教育の平準化が行われようとしている。こうした動きを追跡することも今後の課題の一つとして浮き上がって来た。一方こうした目標設定、評価基準枠を日本の外国語教育とどうリンクさせるか文部科学省のForum2005でもその検討が行われた。ヨーロッパ、アメリカ、さらにアジアの諸外国の動きと比較することも重要な課題である。
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