研究課題
A:11.研究発表(平成17年度の研究成果)に記載したハンブルク大学東洋学部に提出したHabilitation論文では、モチーフの継承を共通テーマとする7つの論文から成っている。これによって、イメージやメンタリティーが継承されて古代以来継承されてきた神話から多数のvariationが派生し、後世多くの詩歌や物語の表現素材となった過程を明らかにした。モチーフ伝承と後世のイメージや表現形成の関係を、主に(1)記号論と構造主義の理論/方法に拠り、(2)通時的な継承/変容の要素の分析、(3)(2)の仕組み、(4)主人公に各時代の新興社会階層を取り込みつつ、モチーフ継承に伴って思考構造やメンタリティーが時代の進展に伴って拡大する享受者層に継承され変容を繰り返していく仕組みの解明を試みた。11.研究発表記載の二つの口頭発表のテーマも、同様の観点に立ったものであり、モチーフの継承に伴う日本文化における伝統やメンタリティーの継承やアイデンテイテイー形成の問題を扱った。B:和歌作品を基礎にドイツ中世のMinneとの間で行っている表象と比喩表現に関する比較研究の為の調査を次の点に関して行った。1)三条西実隆を中心とする中世後期和歌における伝統継承の諸相に関する調査2)Aby M.Warburgが行った西洋伝統詩歌のイメージ連鎖の研究、彼の収集資料を基にしたその後の研究についての調査3)中世社会の文化と社会組織の継承と革新に関する日独の研究成果に関する調査の整理以上に加えて、ドイツ中世史研究(特にドイツ中世史に関するドイツでの研究)の文献収集、詩歌分析の方法論の勉強を行った。
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国際関係学部研究年報(目本大学国際関係学部) 27
ページ: 49-60
Habilitationsschrift dem Fachbereich Orientalistik der Universitat Hamburg(ハンブルク大学東洋学部に提出したHabilitation-ドイツ教授資格-論文)2005年9月22日ハンブルク大学よりHabilitationを授与された
ページ: 341
Discours europeens sur le Japon (DEG VIII)l'Universite Jagellonne de Cracovie (国際シンポジウム第8回ヨーロツパ日本ディスコース 於ポーランド/クラカウ ヤゲロニエン大学)
Habilitationsvortrag an der Universitat Hamburg(ハンブルク大学に於けるHabilitation-ドイツ教授資格-講演)2005年9月22日ハンブルク大学よりHabilitationを授与された