研究課題/領域番号 |
15320081
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
五味 文彦 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (60011326)
|
研究分担者 |
安田 次郎 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (60126191)
近藤 成一 東京大学, 史料編纂所, 教授 (90153717)
藤原 良章 青山学院大学, 文学部, 教授 (60173499)
田渕 句美子 東京大学, 国文学研究資料館, 教授 (80222123)
櫻井 陽子 駒沢大学, 文学部, 教授 (60211934)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
キーワード | 吾妻鏡 / 中世都市論 / 鎌倉 / 史料論 / 考古学 / 遺跡・遺物データベース / 地理情報システム / 文学史料 |
研究概要 |
本研究を進めた結果、次の四点が成果として得られた。 第一に、『吾妻鏡』の注釈を行うための諸環境を整えることを考え、注釈者相互間のシステム作りを行い、ホームページの作成に力をいれて完成させた。部分的な注釈を月一回の研究会で報告し、その成果は会誌『文献と遺跡』に報告してきたが、さらに現代語訳の出版に向けての基礎を築いた。 第二には、鎌倉の発掘報告を集めてGISによって地図上に発掘現場の調査報告と関連する史料を貼り付け、発掘成果と文献の研究が融合して行う方法を模索した結果、国指定遺跡である永福寺跡についてはほぼ成果を整え、シンポジウムで報告した。 第三には、『吾妻鏡』の原史料のうちでも最も重要な一つである『明月記』について注釈を進め、鎌倉で起こった和田合戦の記事や、京で起きた平賀朝雅事件について検討を加えてその成果を『明月記研究』で報告した。 第四には、新たな中世都市鎌倉像の形成に向けて二度のシンポジウムを企画した。一つは中世都市研究会との共催による「交流・物流・越境」をテーマとするもので、もう一つは昨年立ち上げた中世鎌倉研究会のシンポジウム「日本史の中の永福寺」である。これらにより中世都市鎌倉の研究は大きく飛躍したものと考えられるが、それらの成果は『中世都市研究』11(新人物往来社、2005年9月)や会誌『文献と遺跡』に報告した。 近年、鎌倉では中世遺跡の発掘が相次ぎ、中世の生活を復元するための材料が用意されつつある。けれどもそれらを統合する試みはなされていない。そこで各遺跡地図と研究成果(研究文献と遺物データ)を対応させたデータベースを作成し、ホームページ上にこれを反映し、検索システムを新たに構築した上で、考古画像史料部分だけは吾妻鏡本文に先駆けて公開することを期してきたが、まだ完全ではなく、これからさらに望まれよう。これにより『吾妻鏡』はより具体的・立体的な歴史像を獲得することが可能になり、あわせて中世都市鎌倉に関する研究へのきわめて有効な資料を提供できることになるであろう。
|