研究課題
16年度は、15年度に引き続き、国文学研究資料館所蔵の和泉国大鳥郡上神谷豊田村小谷家文書のマイクロフィルム撮影を行った。16年度で必要な史料の撮影を完了し、本格的な分析を開始した。次に、河内国丹南郡岡村岡田家文書については、15年度同様、月1回、1回3時間程度の時間をとって、未整理史料の整理・目録作成を行い、17年度で整理を完了できそうなところまでこぎ着けた。それと並行して内容の分析を進め、18世紀から19世紀にかけての同家の経営内容について新たな知見を得ることができた。また、信濃国松代真田家文書については、何度か松代に足を運んで現地での史料収集を行うとともに、国文学研究資料館所蔵分について内容の分析を進めた。16年度は、真田家文書の分析を集中的に行い、その成果を16年7月17日〜19日に長野市松代で開催された第43回近世史サマーセミナーにおいて報告した(報告7本)。また、各報告者が報告内容を論文化して、論文集『藩地域の構造と変容』として刊行すべく、原稿を完成させた。この論文集には、「大名家文書の中の「村方文書」」、「村方騒動からみた領主と百姓」、「近世後期における藩の裁判について」、「松代藩にとっての幕府権力」、「松代藩領下の役代と地主・村落」、「大名家を継ぐ-家中騒動と養子縁組-」、「松代藩領の盲人」、「宝暦期松代藩における学問奨励について」などの論稿が収められており、藩領域研究の進展に寄与しうるものと考える。さらに、これを踏まえて、17年度には小谷家文書と岡田家文書の分析を総括して、戦国期から明治前期における畿内村落の総合的研究を結実させたい。
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愛知県立大学文学部論集 53号
ページ: 1-14
関西学院史学 32号
ページ: 97-126
愛知県史研究 9号(発表予定)