研究課題
基盤研究(B)
本研究は、従来の研究では充分に見えなかった束南アジア史を明らかにすることを目的とする。とくに、18世紀の東南アジア史は、「中国人の世紀」とも「ブギスの世紀」とも呼ばれ、ともに中央集権化された王室や国家の後ろ眉をともなわない人びとが活躍した世紀であり、文献資料に乏しく、その実像を明らかにすることは困難だといわれてきた。本研究では、ヨーロッパ語史料とくに英文史料および漢文史料を、新たに発掘し、また従来とは違った角度から利用することによって、この不可視の時代の東南アジア史研究に、新たな地平を切り開こうとするものである。初年度の本年度は、問題の所在を確認するため、東南アジア史学会関西例会と合同で、通常より時間を延長して、研究会5回を開催した。あわせて、英文史料班の調査をおこなった。7月には国立民族学博物館所蔵の英国議会史料の調査を7人でおこない、2〜3月には4人がロンドンで公文書館の植民地文書、外交文書、大英図書館のインド文書を調査した。来年度は、漢文史料班が北京で東南アジアにかんする漢文史料の調査をおこなう予定にしている。本研究は、これまでのそれぞれのメンバーの研究の延長線上にあり、以下の研究工具を出版した。早瀬晋三『領事報告掲載フィリピン関係記事目録』(龍渓書舎、2003年);同『比律賓情報』(1936-44年)(龍渓書舎、2003年);渡辺佳成『清代漢籍史料に見る東南アジア大陸部の変動に関する研究東南アジア関係漢文史料集成清代編I』(科研報告書)(2003年);八尾隆生『東南アジア関係英文論文目録-創刊号より2000年まで-』(監修)(東南アジア史学会中国四国地区例会、2003年);『『漢喃雑誌』『漢喃研究』総目録-1984-2002-』(科研報告書)(2003年)。
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