研究課題/領域番号 |
15320100
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
神寳 秀夫 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 教授 (90118331)
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研究分担者 |
直江 眞一 九州大学, 大学院・法学研究院, 教授 (10164112)
藤井 美男 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (70183928)
山田 雅彦 熊本大学, 大学教育機能開発総合研究センター, 教授 (90202382)
正本 忍 長崎大学, 環境科学部, 助教授 (60238897)
工藤 則光 帝京福岡短期大学, 情報ビジネス学科, 講師 (80331908)
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キーワード | 西欧史 / 中・近世 / 国制史 / 統治構造 / 国家機能 / 都市 / 官僚 / 中間権力 |
研究概要 |
最終年度の本年には、各研究班は国内の学術研究機関において最終的な資料収集を行い、研究を深化させることに努めた。その過程で各自はこれまでの研究結果を総括し、発表してきた。学会誌論文などは8件、口頭発表は7件、出版物は4件にのぼり、充分な成果をあげることができたと判断できる。 (1)その最終段階で九州西洋史学会2005年度秋季大会(10月22日:福岡)において、シンポジウム「西欧中・近世における国家の統治構造と機能」を開催した。神寳秀夫の「はじめに--趣旨説明--」の後、中世に関して、山田雅彦が「西欧中世都市の立法と日常生活の管理--フランドル・北仏諸都市を中心に--」、藤井美男が「財政見積書(Etat)に関する若干の史料論的考察--15世紀後半ブルゴーニュ公財政の事例--」を、近世に関して、工藤則光が「17世紀前半フランス南西部地方における帯剣貴族についての考察」、正本忍が「アンシァン・レジーム期の国王「中級」役人--18世紀前半のオート=ノルマンディー地方のマレショーセの事例から--」を発表し、議論をかみ合わせ、認識を深めることができた。 (2)こうした共同研究の過程の中から、(1)主に都市社会の中で、立法及び財政の側面で中世末期と近世との連続性を確認することができ、(2)近世における、役人・官僚を通しての統治と、中間権力を通しての統治という王権の二元的構造の実態、君主権力と被治者との機能上の相互関係の実態に迫ることができた。 以上の諸成果を論文にまとめ、年度末に全員執筆の『研究成果報告書』として公刊する。
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