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2004 年度 実績報告書

ドイツの文学と歴史に見るジェンダー-フィクションと現実の相剋-

研究課題

研究課題/領域番号 15320102
研究機関愛知県立大学

研究代表者

日置 雅子  愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (40086187)

研究分担者 垂水 節子  愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (60171906)
西谷 頼子  愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (60295574)
平井 守  愛知県立大学, 外国語学部, 助教授 (30305510)
キーワードジェンダー / 魔女 / 書簡体小説 / 性文化 / 労働者文化 / 公共圏 / 文化学 / 身体論
研究概要

昨年に引続き、各自自己のテーマを追究する一方で、共通の認識を深めた。
1.日置:ドイツを中心とした西欧で猛威をふるった魔女裁判の問題を調査。魔女問題は、近代という競争社会に突入していく過程で発生した社会的ヒステリー現象として捉えることができるが、同時に、近代への動きの中で自己主張をし始める「新しい女性」に対する社会的・ジェンダー的な抑圧現象という分析視点から、主としてトリアー地方を対象に研究。
2.平井:ベッティーナ・フォン・アルニムをとりあげ、ジェンダーならびにセクシュアリティが作品においていかに作用し、また一方でいかに構築されているかを考察。現在、書簡体小説『ゲーテとある子どもの往復書簡』に関する論文を執筆中。
3.垂水:共編著『革命と性文化』(山川出版社、2005年5月出版予定)所収の「20世紀初頭・ドイツの労働者文化とジェンダー」(146-177頁)を完成。この編集過程で、理論構築の方法を新たに得た。例えば、第一次大戦下のドイツでは貧困層の女性は、戦場の夫・兄弟等との文通や食糧暴動を通じて、別の「政治への別の回路」をもったように、女性と「公共圏」とのかかわり方を分析することである。
4.西谷:ドイツ語圏の文学研究における最新の方法論として注目される「文化学」と「系譜学」を、本年度は集中的に調査・研究。日本独文学会東海支部にて学会発表。(愛知大学、平成16年12月4日)この理論とジェンダー学の接点である「身体論」から「女性性の軽侮」を歴史的に論証。また、イエリネックのノーベル文学賞受賞に際し、新聞に関連原稿を執筆。
歴史研究の側から、「公共圏」という分析軸の設定が提案された。文学作品の受容過程で、いかなる読者が産出されるかという点において、「公共圏」の問題が浮上してくる。文学という「フィクション」と歴史における「現実」とは、その時代の「公共圏」という場で相互に影響しあうという問題設定が確認された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 革命と性文化2005

    • 著者名/発表者名
      垂水節子(共編)
    • 出版者
      山川出版社(印刷中)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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