研究課題/領域番号 |
15320104
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
阪口 修平 中央大学, 文学部, 教授 (50096111)
|
研究分担者 |
佐々木 真 駒澤大学, 文学部, 助教授 (70265966)
山内 進 一橋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20119366)
土肥 恒之 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (20108426)
丸畠 宏太 姫路獨協大学, 外国語学部, 助教授 (20202335)
鈴木 直志 桐蔭横浜大学, 法学部, 助教授 (90301613)
|
キーワード | 近世史 / 近代史 / 軍事史 / 戦争と法 / フランス:ドイツ:ロシア:スウェーデン |
研究概要 |
研究実施計画に照らして(1)ヨーロッパ史における戦争と法、(2)ヨーロッパ近世における軍隊と社会、(3)ヨーロッパ近代における軍隊と社会、の順に今年度の主要な実績を要約する。 (1)山内は『十字軍の思想』の中で、キリスト教世界の基礎に通底する宗教的熱狂と攻撃性とを見いだし、その軌跡を中世カトリックから現代アメリカにいたるまで論じた。これに加えて山内は「軍隊と社会の歴史」研究会(以下軍社研と略。平成16年2月)において古代以来の帝国移転理論を取り上げ、アメリカ合衆国がその理論を自己正当化する過程について言及した。 (2)土肥は軍社研(平成15年10月)において「『軍事革命』論とロシア」と題する報告を行い、M・T・ポーの研究を紹介しながら、ロシアにおける軍事史研究の研究史と現状をまとめた。また鈴木は『ヨーロッパの傭兵』を公刊し、17、18世紀のドイツを中心に軍隊と社会との関係を概説した。その中で、近世常備軍の人員構成は、軍隊の核となる古参兵、季節労働的に軍役に従事する一般兵士、戦時の急激な兵員増強に対応するために召集される強制徴募(不本意入隊)兵の三層から成るとの仮説を提示した。 (3)軍社研(平成15年10月)では、山本崇人氏(近畿大学附属高校)と大津留厚氏(神戸大学)をお招きして『19世紀イギリス陸軍史にかんする近年の研究動向」と「第一次大戦捕虜兵の世界」について報告していただいた。どちらのテーマもわが国ではまだあまり知られておらず、大変示唆に富む研究会となった。また6月の軍社研では西願が「文化史と軍事史の交わる時」を報告し、戦争とマスメディア(新聞、演劇等)や戦士の文化(制服、軍旗等)などの、研究の未開拓領域が多々あることを示唆した。丸畠は論文「退役下士官の文官任用制度とその機能」を発表し、資格社会と軍隊社会の相互影響ならびに文官任用制度による社会の流動化・活性化機能を指摘した。
|