研究課題/領域番号 |
15320113
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 奈良県立橿原考古学研究所 |
研究代表者 |
清水 康二 奈良県立橿原考古学研究所, 調査第2課, 主任研究員 (90250381)
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研究分担者 |
中井 一夫 奈良県立橿原考古学研究所, 調査第1課, 課長 (40250360)
横田 勝 国立高岡短期大学, 産業工芸学科, 教授 (10029225)
菅谷 文則 滋賀県立大学, 人間文化学科, 教授 (10275175)
宮原 晋一 奈良県立橿原考古学研究所, 調査第2課, 総括研究員 (90250373)
三船 温尚 国立高岡短期大学, 産業工芸学科, 教授 (20181969)
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キーワード | 笵 / 石笵 / 鋳型 / 弥生時代 / 和鏡 / 多紐鏡 / 石英長石斑岩 / 鏡笵 |
研究概要 |
これまでの古代銅鏡の製作技術に関しては、完成品を対象に観察調査することによって、その製作技法を推定してきた。この研究では、銅鏡製作技術の直接的な証拠を検討することのできる鏡笵を調査することにより、今まで見過ごされてきた方法で古代技術の復原にアプローチすることが特色である。類例は少ないながらも、中国大陸、韓半島、日本列島で若干の出土品と博物館収集品に鏡笵がある。 平成15年度は、北部九州地方から出土する弥生時代の石英長石斑岩製の鏡笵を中心に検討した。この調査では幾つかの重要な所見を得た。一つは、鋳型の段階で既に完成品の鏡面が凸面になるように製作されていること。一つは鏡背面側笵、、鏡面側笵いずれにも堰(湯口)が削りこまれていることなどである。今後はこの石笵の特性が韓半島を中心とした多鈕鏡笵(石製)とどのような関係にあるのか比較検討する必要があろう。 鏡笵の調査と合わせて鏡笵と同形式鏡の調査を行い、鋳型の観察調査成果と完成品である鏡の観察調査成果を比較することが、この研究の大きな柱の一つである。今年度、和鏡の鏡笵については未調査であるが、先行して和鏡を中心に約60面の鏡を観察調査して鋳造技術の特性を記録し、併せて写真撮影を行った。対象としたのは、和鏡がまとまって収蔵されている三重県鳥羽市八代神社所蔵鏡である。次年度以降、和鏡笵を調査する予定である。 今年度の弥生時代鏡笵の成果をもとに、平成16年7月17日から19日までの3日間で石製笵を主題とした研究会を橿原考古学研究所で開催することを決定し、研究会に併せて報告書を作成するため、編集作業を行っている。
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