研究課題/領域番号 |
15320117
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
中川 聡史 神戸大学, 経済学研究科, 助教授 (10314460)
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研究分担者 |
渡辺 真知子 明海大学, 経済学部, 教授 (70201233)
早瀬 保子 日本貿易振興会アジア経済研究所, 研究主幹
高橋 眞一 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (80030683)
吉田 道代 摂南大学, 国際言語文化学部, 専任講師 (40368395)
佐藤 哲夫 駒澤大学, 文学部, 教授 (00170762)
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キーワード | タイ / 人口移動 / グローバル化 / 女性 / 出生率低下 / ラオス / 都市化 / 国際情報交換 |
研究概要 |
本年度は研究期間3年間の初年度であり、研究実施体制を整えるとともに、タイおよびラオスにおいて実地調査を実施した。研究体制整備としてはタイの2000年センサスの個票データをタイ統計局において交渉の末、購入し、タイの都市化や人口移動に関する統計を整備した。このデータはおそらく日本ではわれわれだけが入手したものであると考えている。また、ラオスにおけるGISデータも購入した。これらのデータは来年度以降の分析に活用されるであろう。 実地調査としては、バンコクやその近郊地域における日系企業の工場を数社見学し、タイにおける経済のグローバル化、新規雇用増加の実態を学んだ。また、北タイのパヤオ県において、都市へ主として女性移動者を排出する農村地域の現状を見学した。ラオス農村部では、ひとつの村の全世帯を対象としたインタビュー調査をおこない、村における貨幣経済化の浸透と換金作物栽培の進展、出生数の減少、出稼ぎの増加などの状況を明らかにした。また、ラオスの首都ビエンチャンでは都市化の進展の遅れをみた。さらに、メコン川の国際橋の建設が進みつつあるラオス中部の都市サヴァナケートおよび対岸のタイのムクダハン市を訪問し、関係者へのインタビューを通して、ラオス-タイの国際人口移動や物流の今後の展開について考察した。 また、バンコクで開催された国際人口移動に関する国際学会に参加・報告し、タイを中心とした国際人口移動に関する研究の進展状況を把握し、他国の研究者や政府関係者との間で情報交換をおこなった。 以上のように、初年度は統計資料収集、現地調査の実施などを当初の計画通りに実施した。次年度は収集した資料を用いての分析を進めるとともに、さらなる実地調査を積み重ねる予定であり、研究成果も今年度以上に出てくるものと考えている。
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