研究分担者 |
吉岡 眞之 国立歴史民俗博物館, 研究部, 教授 (90290858)
井原 今朝男 国立歴史民俗博物館, 研究部, 教授 (20311136)
関沢 まゆみ 国立歴史民俗博物館, 研究部, 助教授 (00311134)
小椋 純一 京都精華大学, 人文学部, 教授 (60141503)
三浦 正幸 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80136134)
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研究概要 |
今年度は,第一に,昨年度作成した『文献目録-宇佐八幡宮・石清水八幡宮・鶴岡八幡宮-』をもとに八幡信仰に関する補遺の集成と研究動向の分析作業を行った。第二は,勤務先である国立歴史民俗博物館の特別企画展示「日本の神々と祭り-神社とは何か?-」(平成18年3月〜5月)における,出雲大社,厳島神社,祇園八坂神社そして伊勢神宮のケーススタディを中心として本研究成果の具体的社会還元を試み,図録(247頁)の作成もあわせ行った。本研究の特色としては神社を信仰や宗教の歴史的文化的施設とみると同時に,その立地や環境から環境保存機能や公園的機能,自然動植物園的機能,また,建築構造物維持の上では建築工芸技能の保存伝承機能,美術工芸品や古文書・古記録類の所蔵と保存の上では美術館・博物館・資料館・図書館などの諸機能,伝統的な祭礼からは儀礼や芸能の保存伝承機能などきわめて多面的な機能を有する文化的有機的な構造物と見る視点に立って歴史学,考古学,民俗学をはじめ,建築工芸史,植生変遷史などの分野の共同研究を行ってきたが,展示および図録において次のような点を成果としてあらわすことができた。建築史学の見地からは,厳島神社の防災の知識と技能,植生変遷史の見地からは,神社の森の樹種の大きな変遷,有職故実の見地からは,狭義の神宝とは武具,紡績具,琴を中心とした宝物であることなどが確認された。他に,祇園信仰の広がりや各神社の古伝祭についてなど各分野の調査結果を得ることができた。
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