研究課題/領域番号 |
15330007
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
紙野 健二 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10126849)
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研究分担者 |
進藤 兵 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (20242050)
市橋 克哉 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (40159843)
福家 俊朗 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (40083315)
稲葉 一将 愛知大学, 法学部, 専任講師 (50334991)
本 秀紀 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (00252213)
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キーワード | 環境アセスメント / 戦略的環境アセスメント / 行政手続 / 住民参加 / 横断条項 / オンライン三法 / 電子政府 / e-Japan |
研究概要 |
変貌いちじるしい公法的諸制度を東アジアの視点から比較し、その基本原理の生成展開変貌を明らかにし、それらを総合するものとしてのあたらしい公共概念を構想しようという本研究の今年度の作業は、まず出発点として韓国、中国、台湾及び日本の関連立法動向の綿密な調査を継続するとともに、第一に、環境行政における影響評価制度を行政手続とりわけ住民が当該事業の評価に関与する仕組みとして検証し、第二に、電子政府構想の実現のための立法作業をあとづけて、いわゆるオンライン三法を構造改革、規制緩和、基本的人権とりわけその手続的な保障、あるいは国民の利便向上などの概念にてらして分析する成果を得た。第一の業績は、台湾台北大学で開催された「台湾ドイツ日本の比較法学術シンポジウム」において「地方自治と環境行政の新展開」と題して報告し、日本の法状況と課題を正確に伝えるものと高い評価を得るとともに、権威ある法学雑誌「月旦法学」の特集「地方自治と環境行政の新展開」の一部をなすものとして公表した。後者は、一見技術的中立的に捉えられる情報技術の行政への活用が、この間の構造改革という、いわゆるグローバル経済を背景に主に事業者による経済的自由の保障に重点を置きつつ進められてきた行政システム改革の一環として位置づけることができ、このことから一部の「申請」方式の変更としてあらわれつつも、他方国民住民にとってはプライバシー保護という深刻な問題をはらみつつ、積極的な国政や自治への参加のためのツールとしての活用は後回しされていることをも指摘している。この成果は東アジア諸国諸地域との比較においても重要な論点を示唆するものであり、われわれの今後の比較研究の基礎的作業とみなすことができる。
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