研究課題/領域番号 |
15330008
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
初宿 正典 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (40024088)
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研究分担者 |
高田 敏 近畿大学, 大学院・法務研究科, 教授 (80028000)
佐藤 幸治 近畿大学, 大学院・法務研究科, 教授 (70025146)
大石 眞 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (80138148)
土井 真一 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (70243003)
毛利 透 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (60219962)
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キーワード | 憲法学 / 法の支配 / 法治国家 / 統治システム / 憲法裁判 |
研究概要 |
共同研究後半にあたる本年度は、昨年度に収集した資料を利用しつつ拡充し、さらに共同研究者どうしで意見を交換しながら、研究課題の達成を図った。資料面では、京都大学所蔵文献に欠けているバックナンバーの補充とともに、新たにRechtshistorishes Journal全20巻を購入した。本雑誌は、法史学にとどまらず、現代の法変容をもシステム理論などの最先端の社会理論を使って分析する論文を多数含むことで高名であるが、日本では所蔵する機関が少なかった。このような性格からして、本雑誌は本年度の研究に大変役立ったし、さらに後進の研究にも視するところが大きいと思われる。また、ドイツ連邦憲法裁判所および連邦行政裁判所の判例集がCD-ROM化されたので、それを希望者のために購入した。各自の研究能率が大幅にアップしたことは言うまでもない。 共同研究としては、小規模のグループでの日常的意見交換の他、全員による研究会を8月、12月、3月の3回行った。8月の研究会ではアメリカおよびドイツにおける最近の法秩序変動について、特に憲法学の観点から詳細な分析と議論を行った。12月には現代法の形成過程を探るため、戦前の法・政治過程を分析した。3月には、最近のヨーロッパにおける新たな立法動向を通じて、民主主義諸国が共通して直面する課題にどのような対応がなされているか、考えた。一年間を通じて、今日「法の支配」「法治国家」といった概念がどのような役割を担えるかについて批判的に考慮することを共通の問題意識とし、各国および日本の状況について理解を深めることができた。この研究で得た知見により、各自が研究業績を発表しつつある。
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