研究分担者 |
伊藤 浩 愛媛大学, 法文学部, 教授 (80213081)
中山 充 香川大学大学院香川大学, 愛媛大学連合法務研究科, 教授 (60093910)
廣瀬 肇 呉大学, 社会情報学部, 教授 (80368795)
富井 利安 広島修道大学, 法学部, 教授 (40006466)
鳥谷部 茂 広島大学, 大学院法務研究科, 教授 (20155609)
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研究概要 |
国内の代表的な閉鎖性水域である瀬戸内海の環境保全政策と管理法制の特徴を,国内外の他の水域の環境保全政策及び管理法制と比較することによって,その現状と問題点をあきらかにした。 1 本研究により、水域の利用による環境負荷の現われ方は、陸域の諸活動による水域への影響も含め、その利用形態により質的に異なることを具体的に捉えることができた。とくに、瀬戸内海とセント・ローレンス河の比較研究では多面的な利用がなされている水域ほど、利用と保全のあり方は複雑であり、閉鎖性水域か否かではなく、水域の利用形態に対する環境保全政策、水域沿岸の住民の意識・と国民の関心など、社会的な環境保全のしくみが重要であると認識できた。 2 セント・ローレンス河調査では,環境NPOであるComite ZIPと接触でき、その環境保全(回復と創造を含む)政策における組織的位置づけやその活動,MARTIN委員長をはじめとするスタッフとの意見交換によって、瀬戸内海の環堤保全政策に参考となる多くの知見を得ることができた。とくに平成18年度の調査では平成15年度と平成16年度にカナダ政府各種機関で説明を受けたものを具体的に視察することができ,ドイツ・ボーデン湖やアメリカ(カリフォルニア州)・サンフランシスコ湾の調査報告とも照らし,瀬戸内海の環境保護・管理法制との共通点と相違点を認識することができた。 3 特筆しておきたいことは、本研究の最終年度に、研究代表者の横山の下に,中華人民共和国ハルビン理工大学法学部沈春女助教授が「日本における環境法の基礎理論」の共同研究のために国外研修(4月1日〜9月30日,日本銀行協会の補助金)で来日し,本研究分担者から今日入手できない資料や中国海洋環境法の提供と教示を受けるなどの協力を得て,本研究の成果を基礎に、瀬戸内海の環境保全政策を中心に「Environmental Law and Pollution Law in Japan」をまとめ,公表した(愛媛法学会雑誌33巻1・2合併号,2006年12月)。
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