研究課題/領域番号 |
15330026
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
島袋 純 琉球大学, 教育学部, 助教授 (40253934)
|
研究分担者 |
我部 政明 琉球大学, 法文学部, 教授 (60175297)
高良 鉄美 琉球大学, 法文学部, 教授 (40175435)
|
キーワード | 地域 / ガバナンス / グローバル化 / 米軍 / 東アジア / 人権 / 自治体改革 / 平和 |
研究概要 |
平成15年度は、地域ガバナンスについての、いくつかのシンポジウム・研究会を執り行った。まず、6月には、普天間基地撤去と自治体改革を唱え、当選した宜野湾市長を招聘し、ガバナンスの変容が実際にどのようなリーダーシップの元に開始するかを探った。次に、10月に、極めて分権化された自治政府の確立を達成したスコットランドより、自治政府確立の中心人物の一人ストラスクライド大学のイゾベル・リンゼイ氏を招聘し、スコットランドのガバナンスの変容に関する現実的な背景と理論を拝聴した。また、1月には、北川正恭元三重県知事(早稲田大学教授)を招聘し、三重県のガバナンス変容についての報告会を開催し、2月、山口二郎北海道大学教授より、現在の日本政治の変革の状況と北海道の実状の報告を頂いた。 個別調査としては、島袋純は、7月ニセコ町を訪問し、逢坂誠二町長をはじめ、企画課長、総務課長よりニセコのガバナンスについての聞き取り調査を行った。また10月東京及び11月大坂に出向き、佐藤竺成蹊大学名誉教授、加茂利男大坂私立大学教授等との意見交換を行った。 高良鉄美教授は、タイのバンコク、姫路市、伊丹市、東京に出張し、次のような目的で研究を行った。まず、バンコクは、97年のタイ憲法の改正により、地方自治制度が大きく変容しガバナンス変容の1つの比較材料として意義があり、今回文献資料収集を行った。次に、地域ガバナンスの資料収集で、沖縄との関連性を踏まえ、かって淡路国として独自の歴史文化を形成してきた資料を集めた淡路文化資料館を訪ねた。沖縄戦をくぐったグスクも世界遺産登録されたが、姫路市平和資料館にて世界遺産登録の姫路城と空襲について調べた。空港公害訴訟に関連し、伊丹市自治人権部人権・平和担当で人権平和関連資料を調べた。ガバナンス・インタビューのうち、沖縄の軍事基地問題との関連で、憲法的問題について早稲田大学の水島朝穂教授にお話をお聞きしまた、基地経済と自治の問題について慶応大学の金子勝教授にお会いしてお話を聞いた。地域活性化問題との関連ですみだ生涯学習センターで資料収集した。 我部政明教授は、米軍プレゼンスのグローバル化の中で沖縄を取り囲む国際環境の変化を、米英軍の開始したイラク戦争との関連において、ドイツ、スウェーデン、フランスなどの対応をどのように評価できるかについて各国の専門家に聞き、東アジアの事例を比較について意見交換した。ベルリンでは、フンボルト大学にて平和グループ(ピーター・リヒター氏など)と意見交換を行い、ストックホルムでは、ストックホルム大学アジア太平洋研究センターでのセミナーにて報告し、スウェーデン国際問題研究所のセミナーに参加した。パリでは国立科学研究センター研究員アンドレ・カスピ氏、国際問題研究所研究員フレデリック・ボゾ氏、日本大使館の山田公使、クーリエ・アンテルナショナル編集員クロード・ルブラン氏、パリ政治学院のピエール・アスネール教授などと意見交換を行った。
|