研究課題/領域番号 |
15330026
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
島袋 純 琉球大学, 教育学部, 助教授 (40253934)
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研究分担者 |
高良 鉄美 琉球大学, 大学院・法務研究科, 教授 (40175435)
我部 政明 琉球大学, 法文学部, 教授 (60175297)
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キーワード | ガバナンス変容 / グローバル化 / 沖縄 / 自治 / 憲法 |
研究概要 |
本研究は、地域レベルのガバナンスを開放的な体系と規定しグローバル化及び国際的な地域統合との相互作用の文脈において理論的に把握することを試みるものである。沖縄の事例を中心に国際比較研究を通じて一定のモデル構築を目指すとした。 まず、グローバル化とは何か、地域、特に沖縄への影響という視点からグローバリゼーションの中身を検討し、操作可能性を高めるための概念的な整理を行った。グローバル化が沖縄の地域経済社会に及ぶ影響の把握(地域が歴史的・文化的に形成している価値=ローカル・スタンダードの変化、社会経済活動への影響、NPOをはじめとする市民社会からの問題解決主体の登場など)。地域政府による反応的政策形成およびレジーム革新の動向(日米安全保障体制の変容が憲法システム及び中央地方関係に及ぼす影響、財政投融資システムの変容が地方財政に与える影響、地方政府による脱軍事的政策の追求、独自課税制度や環境基準の設定、新たな自治・協働システム形成の試みなど)などの相関関係を構造的に把握する試みを行った。 2年目には諸外国の地域政府(島嶼政府)、あるいは島嶼国家と比較事例研究に比重をおいた。グローバリゼーションの進む近年、島嶼地域のガバナンスがいかなる変容を引き起こしているかについて、それぞれの国を専門とする多くの研究者を招聘し、研究会を重ねた。上半期には、ドイツの連邦制の変容、カナダ連邦制の変容、太平洋等諸国家及び島嶼地域の独立と自治、マルタ共和国の政治的自律と経済的自立、英国、イタリア及びフランスのリージョナリズムの変容等について研究会を行い、04年12月には、英国(シェフィールド大学)、台湾(成功大学)、韓国済州島(済州大学)、オーストラリアタスマニア島(タスマニア大学)から、それぞれこの研究分野の第一人者をお招きして、国際的なワークショップ(英語)とシンポジウム(日本語)を行い、研究報告を2冊の報告書にまとめた。 最終年は、特に国内の政治及び自治の変容をテーマとして、北海道大学教授の山口二郎氏と、佐賀県知事の古川康氏をお招きし、シンポジウム「ガバナンス変容の中の沖縄-グローバル化と自治の新たな関係-」を設定し、会議録を報告書にまとめるとともに、3年間の研究成果を論文として発表した。
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