研究課題
本研究は2つのことを目的としていた。第1は、2004年4-5月に実施された第14回インド連邦下院選挙の分析および出版である。第2に、過去20年間のデータ分析し、連邦下院議員の社会経済的基盤の変化を分析することである。その際、ウッタル・プラデーシュ、西ベンガル、タミル・ナードゥの3州に関しては、経済・社会指標と選挙の関係をより詳細に分析することを目指していた。そして、手法としては地理情報システムをツールにすることによって、総合的に把握することを目指した。その際CSDS (Centre for the Study of Developing Societies)が行っているサーベイの成果を踏まえた上で、さらに独自の枠組みを提示する。平成17年度に行った研究実績は以下の通りである。1.第14回インド連邦下院選挙の分析の出版:内容の最終調整、用語解説、政党・組織名等の一覧、索引の作成、その他の作業を完成させ、2006年2月に「インド民主主義の変容」を出版した。2.GISの本格的導入:これまで入手した資料を入力し、GIS手法を使って分析を行った。これにより経済社会事情と選挙結果の関係を分析することが可能となり、1999年選挙の分析を上回る成果となった。3.この研究成果の発表:昨年に引き続き、日本国内のみならず海外での発表、それに基づいた意見交換を行った。主要な活動は以下の通りである。(1)日本南アジア学会第18回全国大会(2005年10月1-2日)にて、「インド民主主義と第14日連邦下院選挙」と題する小パネルを実施した。(2)インド・ニューデリー(2006年3月)、シンガポールで研究報告、これらの国の研究者と意見交換を行った。4.上記の第2の目標はまだ完成には至っていない。1977年選挙以降の連邦下院議員全員の父親、学歴、前職歴、家族構成など)の個人情報を入力した。その結果を、地理情報システムを使って、分析できる段階に達したところである。2006年度以降、学会誌などで、分析結果の発表を行うと同時に、積極的に海外での研究発表も行う予定である。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (9件) 図書 (1件)
The State in India: Past and Present, (Masaaki Kimura and Akio Tanabe ed.), Oxford University Press
ページ: 140-201
海外事情 2005年10月号
ページ: 39-54
N.S.Sisodia and G.V.C.Naidu eds., Changing Security Dynamic in Eastern Asia: Focus on Japan, Institute for Defence Studies and Analyses
ページ: 278-297
南アジアの安全保障(日本国際問題研究所編)(日本評論社)
ページ: 38-65
国際問題 No.542
ページ: 34-46
Elusive Borders: Changing Sub-Regional Relations in Eastern South Asia(井上恭子, 村山真弓, 荒井悦代(共編著))(アジア経済研究所)
ページ: 111-135
日本南アジア学会第18回全国大会報告要旨集
ページ: 46-49
Proceedings of First International Symposium on Area Informatics: Potential of GIS/RS in Area Studies, Center for Southeast Asian Studies, Kyoto University
ページ: 11-28
ページ: 93-109