研究課題
基盤研究(B)
メカニズムデザインと繰り返しゲームという二つのアプローチによって、競争と協調の可能性についての理論的基礎を研究した。経済主体は利己的動機によらない行動をする、物質的な選好とは無関係な情報に影響を受ける、経済主体が共有できる情報が限られていて私的情報を利用する、という3点から理論を展開した。もっとも大きな成果は、トップジャーナルであるEconometricaとJournal of Economic TheoryにRegular Articlesとして採用された論文を発表したことである。"Repeated Games with Private Monitoring : Two Players"では、私的情報による不完全なモニタリングしかできないときの繰り返しゲームを分析したもので、世界ではじめて、厳密に合理的なプレーヤーによる暗黙の協調を説明した。これはEconometricaに掲載された。"Mechanism Design with Side Payments : Individual Rationality and Iterative Dominance"では、サイドペイメントができるときの逆淘汰の解決方法をメカニズムデザインで示したもので、Journal of Economic Theoryに採用された。"On Detail-Free Mechanism Design and Rationality"と「モデルの細部から独立なメカニズムデザインと合理性について」は、ともに日本経済学会中原賞記念講演のために書いたもので、この科研のテーマにそった内容である。"Role of Honesty in Full Implementation"は非利己的要因をあつかったメカニズムデザインの研究である。その他の成果は以下に紹介された論文等である。
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Journal of Economic Theory 130巻2号(印刷中)
Discussion Paper Series, University of Tokyo, CIRJE F-405
Discussion Paper Series, University of Tokyo, CIRJE F-401
Discussion Paper series, University of Tokyo, CIRJE F-419
Journal of Economic Theory 130(forthcoming)
Japanese Economic Review 56巻1号
ページ: 41-54
現代経済学の潮流2005(東洋経済新報社) 10巻
ページ: 23-47
Discussion Paper Series, University of Tokyo, CIRJE F-346
Japanese Economic Review 56(1)
Gendaikeizaigaku-no-Chouryuu 2005(Touyoukeizaishinpousha) vol.10
Discussion papers U.Tokyo CIRJE-F-346
Discussion papers U.Tokyo CIRJE-F-405
Discussion papers U.Tokyo CIRJE-F-401
Discussion papers U.Tokyo CIRJE-F-419
Journal of Economic Literature 42
ページ: 175-210
Econometrica 72
ページ: 823-852