研究課題/領域番号 |
15330042
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柳川 範之 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (80255588)
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研究分担者 |
野島 三保 成蹊大学, 経済学部, 講師 (10349160)
田中 辰雄 慶應義塾大学, 経済学部, 助教授 (70236602)
新宅 純二郎 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (00216219)
大橋 弘 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (00361577)
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キーワード | コンテンツ / ネットワーク外部性 / 知的財産 / エンタテインメント産業 / 情報産業 |
研究概要 |
今年度は、本研究の1年目であり、ゲーム・映画・音楽等のコンテンツ産業の実態把握と、過去の学術的な研究蓄積の整理に重点を置いて研究活動が行われた。その後それらの整理に基づいて、詳細な研究活動計画が作成され、それに沿った形で研究活動が行われた。その結果、充実した研究実績が得られてきており、そのうちのいくつかはすでに国際的な学術雑誌に掲載されている。 研究活動は大きく分けて、コンテンツ産業における(1)ネットワーク外部性に関する実態把握および実証分析、(2)知的財産権制度が与える影響と役割に関する理論的・実証的分析、(3)望ましい組織構造と経営戦略に関する理論的・実証的分析、の3分野である。以下それぞれについての研究成果の概略を述べる。 (1)コンテンツ産業はネットワークの外部性が重要な産業であり、その影響を把握することがひとつのポイントとなる。しかし、ソフト、ハードの両面からその影響があるため、実際の影響はかなり複雑なものとなる。そこで本研究では詳細な実証分析を行い、ソフト・ハードそれぞれのネットワーク外部性の相互連関が重要であること、またその影響は産業によって異なることなどが、明らかにされた。(2)知的財産権の影響の仕方も、コンテンツ産業においては重要であり、特に開発者へのインセンティブに影響がある職務発明の問題は議論のポイントとなる。この点を中心に、現行法制度が与える影響と、改善の方向性についての分析成果が得られた。(3)コンテンツ産業はネットワーク外部性などの影響から、今までの産業とは異なった経営戦略が求められる可能性がある。そこで、需要者の行動などについての調査・実証分析を行い、その結果、他産業とは異なった戦略が必要であること、その方向性についての成果を得た。
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