研究課題/領域番号 |
15330042
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柳川 範之 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (80255588)
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研究分担者 |
新宅 純二郎 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (00216219)
田中 辰雄 慶應義塾大学, 経済学部, 助教授 (70236602)
野島 美保 成蹊大学, 経済学部, 助教授 (10349160)
大橋 弘 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (00361577)
生稲 史彦 一橋大学, イノベーション研究センター, 専任講師 (10377046)
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キーワード | コンテンツ / ネットワーク外部性 / 知的財産 / エンタテインメント産業 / 情報産業 |
研究概要 |
本年度においては、コンテンツとはという根本問題に関する理論的な検討と、ネットワーク外部性や、経営管理に関する実証分析の両方について検討を行い、成果を得た。コンテンツについては、理論的には2つの大きな側面があることがポイントとされた。 ひとつは、コンテンツの情報がデジタル情報になっている点である。デジタル情報の特徴はそれが、劣化せずに簡単にコピーできる点であるが、もうひとつ、流通媒体を選ばないという重要な特徴を持っている。いったんある情報がデジタル化されれば、それをCDやDVDにして販売することもできれば、インターネットを通じて流すこともできる。また、デジタル放送が主流になりつつあるテレビなどのメディアにも流すこともできる。このようにデジタル化は今までのコンテンツに関する流通構造を大きく変え、それが産業構造全体を大きく変化させつつある。実証分析の面では、技術的な変革によって、情報の中身としてのコンテンツのコピー問題がどのように、実際の生産や販売に影響を与えているかについて分析を行った。 もうひとつの大きな側面は、いかにして、良いコンテンツ・良い情報を生み出すことができるのか?という問題である。コンテンツの多くはなんらかの娯楽性を持っており、製作側とすれば、そもそも何が良いコンテンツなのか何が消費者に評価されるコンテンツなのか良く分からないという側面を持っている。この点においてもコンテンツ・ビジネスの難しさがある。独創性の高いコンテンツを生み出すにはどのようなインセンティブを製作者に与えればよいのか。どのような組織構造にするのが一番良いコンテンツを生み出してくれるのか。コンテンツ・ビジネスを考える際には、これらの問いに答えていく必要がある。 実証分析においても、この点に焦点をあてた分析を行い、暫定的ではあるが望ましい組織構造に関する結果が得られた。
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