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2004 年度 実績報告書

日本における将来に対する不安がマクロ経済学に与える影響に関する定量的分析

研究課題

研究課題/領域番号 15330044
研究機関上智大学

研究代表者

竹田 陽介  上智大学, 経済学部, 助教授 (20266068)

研究分担者 上田 貴子  早稲田大学, 政治経済学部, 助教授 (00264581)
出島 敬久  上智大学, 経済学部, 助教授 (70286756)
キーワード教育需要 / 予算制約 / 先天能力 / 不確実性 / 供給ショック / トービンのQ
研究概要

2004年度は,2003年度から引き続き,教育における「人的資本」の問題を取り上げると同時に,2003年度に購入した「企業財務データ」を用い,「設備投資と不確実性」についても分析した。
1.「家計の教育需要の決定要因-親の教育水準と予算制約の効果」(著者:出島敬久・竹田陽介・上田貴子)(旧タイトル「衒示的消費としての教育:日本の家計に関する実証分析」)
本研究は,教育需要に関する理論モデルが,近年の日本の現実と整合的かを検証するために,(財)家計経済研究所の家計消費に関するパネルデータを利用し,教育費支出関数を推定した。子の先天的能力の代理変数として両親の教育水準を利用した上で,家計所得・資産・負債という家計の予算制約に関わる変数が教育費に与える影響が,個体固有効果に注意して推定された。その結果,流動性制約のない単純な人的投資モデルではなく,流動性制約のある人的投資モデルや,消費としての教育需要モデルと整合的であることがわかった。子の先天的能力の影響とともに,私立・公立の学校選択を正しく捉えた教育需要関数の構造型の推定が,残された研究課題である。なお,2005年度日本経済学会春季大会(京都産業大学,討論者:小塩隆士神戸大学教授)にて報告する予定である。
2.「設備投資と不確実性:上場企業の財務データと利益予測データに基づく実証研究」(著者:竹田陽介・矢嶋康次ニッセイ基礎研究所シニア・エコノミスト)
本研究では,不完全競争・規模の経済性の観点から,「供給ショック」まで拡張したモデルを提示し,日本の上場企業の財務データと市場における利益予測データを用い,実証分析を行なった。推定の結果,実質売上高・株価の変動に基づく不確実性が高まると,設備投資を縮小させる効果があるのに対して,企業の業績予想の不確実性は影響しないことがわかった。前者の効果は,日本の市場独占度の高い企業に対して,供給ショックが強く働く状況で,不確実性の高まりが設備投資を減少させたことを意味する。なお,『ニッセイ基礎研所報』2005年,Vol.36に掲載される予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 設備投資と不確実性:上場企業の財務データと利益予測データに基づく実証研究2005

    • 著者名/発表者名
      竹田陽介, 矢嶋康次
    • 雑誌名

      ニッセイ基礎研所報 Vol.36

  • [図書] 異質な期待形成とマクロ経済政策2005

    • 著者名/発表者名
      竹田陽介, 小巻泰之, 矢嶋康次
    • 出版者
      東洋経済新報社(仮題)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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