研究課題/領域番号 |
15330048
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
吉本 敦 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教授 (10264350)
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研究分担者 |
行武 潔 宮崎大学, 農学部, 教授 (30174832)
庄司 功 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (20282329)
柳原 宏和 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (70342615)
二宮 嘉行 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助手 (50343330)
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キーワード | 森林資源経済学 / 森林測樹学 / 統計学 / 計量経済学 / 炭素固定 / 不確実性 / 数理モデル / 環境経済学 |
研究概要 |
地球温暖化防止に伴うCO_2等排出削減への取り組みについて、各国様々な措置が打ち出されている。我が国においては、政府レベルではCO_2削減量の約3.9%を森林資源の炭素固定機能により達成しようとしている。これに対し、民間レベルでは、排出権の売買により削減への貢献を果たしている。このような環境保全に向けた森林資源の役割が益々重要視されている中、現状の森林を取り巻く経済環境下では森林の管理そのものの放棄が問題視されている。管理放棄の背景には、将来的な価格の低迷などと言った不確実要素の増減が森林所有者の管理意欲に大きな影響を与えていることがある。本研究では、こうした不確実性を考慮できる森林資源管理に対する最適確率制御モデルを構築し、構築されるモデルを用いて森林所有者の管理行動を予測・制御しつつ、温暖化防止に対する森林資源管理を通した炭素固定機能の経済評価を行うことを目的とする。 平成17年度の研究成果は以下の通りである。 ●九州地域に設置した試験林において森林成長データを収集し、データベースをアップデートした。また、新たに調査を予定している林分の設定を行った。 ●多変量線形モデルによる林分成長要因探索のための変数選択を行い、試験林において林分成長に及ぼす要因の探求を行った。 ●九州地域において構築されている密度管理図を、試験林から得られたデータに基づきモデルの更新を行った。また、そのモデルによる最適林分経営モデルを構築し、間伐補助金の管理に及ぼす影響を把握し、補助金を通し、間伐により変化する林分内の炭素の固定量に対する評価を行った。 ●変形Mean-Reverting過程に基づく最適確率制御モデルを構築し、スギ丸太価格データを用いて伐採行動の予測を行った。
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