研究概要 |
この研究の中心となるのは社会構造推計モデルである. 本研究組織が平成10年以来開発してきたシステムダイナミックス・ソフトウェアで記述された社会構造推計エンジンを推計の中核として用い(ソフトウェア特許出願中),社会構造に内在する極大値(人口,世帯数,労働力などの)を発見し,その後の社会構造を推計するモデルを開発した.平成13年頃より具体的な開発が開始された全市町村および東京特別区の社会構造推計モデルは,各市町村における住民の移動を含んだ人口推計モデルと封鎖人口推計モデルを含み,平成16年2月に2000年モデルの開発が完了した.製作されたシステムダイナミックスモデルは3200本を超え.2000年の国勢調査人口をベースにしたデータベースが平成15年度中に完成した.この結果多くの市町村が迎える人口減少社会ダイナミズムの分析が可能となった. このダイナミズムを時空間として認識するために,データベースのうち地理関連情報を地理情報システム(GIS)として表現する地理関連情報地図化システムが平成14年度中に特許申請され,これを用いて全都道府県市町村の2000年モデルによる社会構造推計地図が完成した.この成果は平成15年度末にはWEB(http://biomed.grips.ac.jp/)上で公開されるにいたった. このモデルを既に開発が完了している国民経済計算データベースモデル(システムダイナミックス言語で記述)にリンクさせる手法も開発され,これに基づき都道府県のマクロ経済推計モデルを開発された.これを発展させ人口減少社会での実社会の動向を推計するための動学的マクロモデルが構築中である.
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