研究課題
1.研究の具体的実績本研究は奄美群島における市町村合併を対象としたものである。市町村合併を経済という側面から光をあてることによって、従来の市町村合併の分析を超えることをめざしている。平成15年度の実績としては以下のようになっている。(1)合同集中調査(奄美・沖縄)8月(2)個別調査(奄美・沖縄)9月〜3月(3)経済モデル現地説明会1月〜2月(瀬戸内町・伊仙町・名瀬市・与論町)(4)鹿児島大学シンポジウム協力1月(5)中間報告書作成3月(1)現地説明会本研究では(3)の現地説明会に重点をおいた。経済モデルの予想値については、現地ではさまざまな反響をいただいた。しかし、従来奄美群島区では感情が先立つ議論がおおく、客観的なデータで議論されることはなかった。その点では、奄美研究に一石を投じることができたと考えている。(2)鹿児島大学プロジェクトとの連携(4)のシンポジウムは、鹿児島大学学長裁量経費(学長プロジェクト)によるものである。本研究の発表の場として、学長プロジェクトとの連携をとっている。2.現段階での研究成果奄美群島区という島嶼地帯において、市町村は経済的に相互依存関係をもって、経済構造を築き上げていることが経済シミュレーションによってあきらかになった。その関係性を無視した市町村合併には弊害があることが指摘できた。奄美群島区の14市町村を2004年から2020年の成長をもとに、7つに分類した。周辺町村:大和村・伊仙町・知名町(成長パターン)100〜120%、中核都市としての名瀬市100%、名瀬市との距離感のある町村:宇検村・瀬戸内町・喜界町90%後半、周辺町村を形成できる町村:徳之島町・和泊町90%前半、名瀬市に包摂される町村:住用村・龍郷町83%、希薄な対抗関係町村:笠利町・天城町80%後半、沖縄経済圏:与論町50%また、県境を越えた合併についても奄美群島区では経済合理性に乏しく、公共事業に依存する従来の体質の延長線上にあることも指摘できた。
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