研究課題
基盤研究(B)
研究の初年度である今年度に実施したことは下記のとおりである。第1に、国内調査として北海道の札幌、旭川、函館の調査を夏に実施した。札幌については、北海道中小企業家同友会産学官連携委員会の活動を中心に、札幌地域の公設試、北海道大学、中小企業支援センターを訪問し、新しい形での中小企業を中心とした産学官連携のあり方を調査した。旭川は古くから家具の産地として知られているが、厳しい環境のなかで長年にわたって家具産地としてのクラスター形成に努力してきた地域の公設試、企業、大学等を訪問し、調査を行った。函館では、地域の特産品である昆布を利用した中小企業家の取組みである昆布研究会について調査を行った。これらの調査結果の一部は、植田浩史『現代日本の中小企業』などに取り上げられている。第2に、海外調査として中国淅江省、上海嘉定区の調査を3月に行った。淅江省は、中小企業を中心とした成長著しい地域であり、省の中小企業局による政策、企業ヒアリングを実施した。上海市嘉定区は、自動車産業を中心とした産業クラスターが存在する地域であり、区政府やもっとも自動車産業が集積している安亭鎮政府の対応、企業ヒアリングを実施した。調査結果については現在取りまとめ中である。第3に、大阪市が2002年に実施した市内の製造業企業に対する全数調査である「製造業実態調査」の結果を活用して、クロス集計などを行った。クロス集計は今年度ですでに完成しており、来年度以降分析結果を発表する予定である。
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