研究課題/領域番号 |
15330053
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
植田 浩史 大阪市立大学, 大学院・創造都市研究科, 助教授 (10213357)
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研究分担者 |
本多 哲夫 大阪市立大学, 大学院・経営学研究科, 助教授 (50336799)
粂野 博行 大阪商業大学, 総合経営学部, 助教授 (80319590)
大田 康博 徳山大学, 経済学部, 助教授 (90299321)
桑原 武志 大阪経済大学, 経済学部, 専任講師 (90351436)
義永 忠一 桃山学院大学, 経済学部, 専任講師 (00351677)
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キーワード | クラスター / 産業集積 / 中小企業 / 地域経済 / 地域産業 / 産業政策 / ネットワーク / 公設試験研究機関 |
研究概要 |
今年度のわれわれの研究実績として第一にあげられるのは、われわれの研究グループとしては2冊目の本となる『『縮小』時代の産業集積』(植田浩史編、創風社、2004年)を刊行したことである。この本は、1990年代以降の産業集積が量的な「縮小」に入っていることを踏まえて、(1)量的な拡大時代との産業集積の機能や役割の違いを明確化する、(2)特に「縮小」時代に入って失われた機能は何かを考え、その機能を補完する必要があるのか、補完するとしたらどうするのか、(3)「縮小」が見られる中で新たな動きを示している産業集積地域を調査し、その特徴を指摘する、といった課題に取り組んできた。従来の産業集積については「拡大」を前提に議論が行われており、時代に合わなくなってきている。われわれの研究は、新しい時代の産業集積のイメージを示したと考えている。 第二に、関西の自治体が実施した全数製造業実態調査のデータを自治体と協力して詳細に分析を行い、それぞれの地域の製造業の深い実態分析を行ってきたことである。今年度は、大阪市が2002年度におこなった製造業実態調査(データ件数約1.7万件)の分析を行い、工業集積研究会報告書『大阪市製造業実態庁の分析』として冊子化した(頁)。また、岸和田市から委託された全数製造業実態調査の分析も行っており、その第一弾として繊維産業についての分析をまとめた。さらに、京都市が行った調査の分析も開始しており、来年度からその結果がまとまることになる。これらのデータはいずれも全数調査であり、細かく分析をおこなうことを通じて工業統計だけからでは見えないそれぞれの地域の製造業や産業集積の特徴や問題点が明らかになってくる。幸いに、調査を実施した自治体とわれわれのグループは良好な関係を築いており、今後とも協力体制のもとで分析をさらに行っていく予定である。 第三に、新しい時代のクラスターのなかで重要な役割を果たしていくと考えられる公設試験研究機関に焦点を当てて、調査をおこなってきた。昨年度もすでに、北海道地域の調査をおこなったが、それに加えて今年度は東京、大阪、兵庫、広島、愛媛、福岡で調査を実施した。公設試験研究機関については、最近まとまった研究も少ない一方で大きな変化の時代にある。重要な役割を期待されながら、財政的な基盤はどんどん弱くなっている。こうした状況について、さらに調査を行ない、来年度中にわれわれの調査グループの3冊目の成果としてまとめる予定である。 第四に、産業クラスターの国際比較を進めるため今年度はイギリスとイタリアに調査を行った。この成果についても調査報告書を作成する予定である。
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