本年度においてはアジア各国における外国資本の活動状況を調査した。今後中国以外の国々においても外資と環境の問題を分析するためのステップとするためである。また現地において関連文献を収集して邦訳する作業も行った。 具体的に調査した国々には、以下の国があげられる。中国、タイ、ベトナム、カンボジア、ラオス、インド、パキスタン、スリランカである。タイはカンボジア、ラオスを取り込もうと多くの投資を行っている。また中国のこの地域における投資も同様の主旨で盛んである。一方でベトナムは日本や韓国、シンガポールなどの諸国から投資が流入しているがその規模は1995年をピークに伸び悩んでいる。インドにおいては外資は主に自動車、電機とソフトウェア産業が主体である。前の2つは日本や韓国、そしてソフトウェアは米系の投資が主体となっている。パキスタンとスリランカは外国直接投資が非常に限られている。これは政治的な状勢によるところが大きい。環境について考えると、インドのような市民社会が強い国、中国やタイのような日本を始めとした先進国の企業が投資している国ほど状況が好ましくなっている。また本年は環境先進国のドイツとスイスの多国籍企業を訪問し、その取組み姿勢を調査した。
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