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2004 年度 実績報告書

中国企業の国際競争力に関する比較経済分析

研究課題

研究課題/領域番号 15330057
研究機関法政大学

研究代表者

胥 鵬  法政大学, 経済学部, 教授 (60247111)

研究分担者 今井 健一  日本貿易振興会, アジア経済研究所, 研究員
菊池 道樹  法政大学, 経済学部, 教授 (90143718)
鈴木 豊  法政大学, 経済学部, 教授 (20277693)
田村 晶子  法政大学, 経済学部, 助教授 (30287841)
てき 林瑜  大阪市立大学, 商学部, 教授 (40236964)
キーワード中国経済 / 直接投資 / 貿易 / gravityモデル / 比較優位 / 地域性 / 東アジア / 垂直的分業
研究概要

胥鵬・田村晶子は、日本経済学会2004年秋大会で「世界の工場中国と世界各国との貿易・直接投資に関する実証分析」というタイトルの論文報告を行なった。この論文では、gravityモデルを用いて、114国・地域の経済特性(人口、一人当たり所得、人口密度、距離)と地域性が、1995年-2000年の対中貿易と直接投資に与える影響を明らかにし、中国向け直接投資の対中貿易に対する効果を考察する。実証分析の主な結論は以下の通りである。まず、相手国・地域の人口が2倍になると、中国の輸出は113%、輸入は116%増加する。しかし、人口が2倍に増えても中国向け直接投資は50%程度しか増加しない。一人当たり所得が10倍になると、中国の輸入は19倍、中国の輸出と中国向け直接投資はともに12倍以上に増え、米国、日本、韓国などの高所得国と対内直接投資、輸出と輸入がともに活発であることがわかる。中国は人口密度が低く土地が豊富で労働が希少な国から多く輸入している。これは貿易の基礎理論と整合的であるといえよう。距離は、有意にその国・地域の中国との貿易関係密接度を引き下げ、地理的障壁となっている。地域性については、人口、国土、距離等が一定の下で東アジア諸国の対中輸出は北米諸国の85倍、対中直接投資は北米の23倍、中国からの輸入は北米の4.7倍に上る。日本は対中直接投資が世界トップとランクされ北米の29倍弱であり、東アジアに次ぐ中国の重要貿易相手国である。日本、東アジアの中国との密接な貿易関係は、東アジア諸国の産業内貿易・域内垂直分業を中心に強まっており、アジア経済の統合を目指す方向に進んでいると考えられる。北米地域に対する輸出は突出して高くもなく、北米地域からの輸入が目立って低いわけでもない。このように、中国の対外貿易と対内直接投資のパターンを分析することは、中国の国際競争力の解明につながると期待される。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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