研究課題/領域番号 |
15330064
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
林 宜嗣 関西学院大学, 経済学部, 教授 (40122220)
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研究分担者 |
林 宏昭 関西大学, 経済学部, 教授 (20208630)
前田 高志 名古屋市立大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (70165645)
戸谷 裕之 大阪産業大学, 経済学部, 教授 (50188752)
高林 喜久生 関西学院大学, 経済学部, 教授 (10226912)
根岸 紳 関西学院大学, 経済学部, 教授 (10122219)
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キーワード | NPM / 生産の効率性 / 生産性格差 / 民間委託 / value for money / ナショナル・ミニマム / 国庫負担金 / 地方交付税 |
研究概要 |
NPM(New Public Management)の考え方は、公共部門(行政府)を生産・供給主体ととらえた1うえで、「最少の経費で最大の効果」をあげるように、公共財・サービスを供給しようとするものとしてとらえることができる。つまり、消費主体としての国民(住民)のニーズにあった公共財・サービスの供給主体として行政府は有効に機能しているのかが問われているのであり、具体的には、民間市場での供給への移行や、政府による公的供給を維持する場合でも、生産を外部に委託するなどして生産性を高めることはできないのか、といったことが課題となる。本年度の研究では、地方公共サービスの生産における効率性の考え方を整理し、大阪府下都市のデータをもとに自治体間の生産性格差の存在を検証した。その結果は、都市間には生産性における大きな格差が存在する可能性を示唆するものであった。また、職員数や給与水準にも都市間にかなりの差が存在し、公共サービスの供給コストの格差につながっている可能性も明らかになった。とくに、職員については財政力の強い都市ほど、その数が多いという関係が見られることから、強い財政力がゆえに民間委託の推進など、生産性向上への取組みが遅れていた可能性がある。もちろん、近年では給与水準だけでなく、年齢構成や職員数にも目が向けられるようになってはきている。しかし、依然として生産性の都市間格差は大きく、今後、value for moneyを高めるためにも、民間委託の推進など、思1い切った民間活力の活用が求められることを明らかにした。地方分権を実現するための三位一体改革については、真のナショナル・ミニマム事業を峻別し、結果として地方への事務・事業の義務づけを縮減(裁量を拡大)する必要があることを明らかにし、義務づけを存続すべきものは明確に国の責任とし、そうでないものについては地方の裁量に委ねるべきであることを提示した。そして、義務づけを減らせば国庫負担金も地方交付税も縮減できることが明らかとなった。
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