研究課題/領域番号 |
15330067
|
研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
江夏 由樹 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10194002)
|
研究分担者 |
佐藤 正広 一橋大学, 経済研究所, 教授 (80178772)
城山 智子 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (60281763)
山本 真 筑波大学, 大学院人文社会科学研究科, 専任講師 (20316681)
林 佐保 (広川 佐保) 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 助教授 (90422617)
|
キーワード | 国史館台湾文献館 / 福建省档案館 / 中央研究院近代史研究所 / 近代的土地所有制度 / 臨時台湾戸口調査 / 豪地 / 皇産 / 台湾総督府 |
研究概要 |
佐藤正広は台湾の国史館台湾文献館所蔵に所蔵されている台湾総督府の行政文書、特に、近代的人口センサスである「臨時台湾戸口調査」に関する史料の調査を行った。山本真は福建省档案館において、民国期福建省の土地問題に関する史料調査を進めた。林(広川)佐保は台湾の中央研究院近代史研究所において、民国期内モンゴルの土地問題に関する一次史料の蒐集・分析を行った。上記の海外調査に加え、本プロジェクト参加者は一橋大学図書館、同経済研究所、国立国会図書館関西館、外務省外交史料館などにおいて史料調査を進め、台湾、朝鮮、中国東北部(満洲)、東部内モンゴル、中国内陸部などの地域において、現地の政府、日本の植民地当局、「満洲国政府」などがどのような方法によって、その地の「伝統的」な土地制度・慣習を解体し、そこに「近代的」な土地制度を確立していこうとしたのか、そこにどのような問題が存在したのかを検討した。 毎月の研究会において、メンバーは各自の調査研究の成果について報告を行い、そのなかで、日本が東アジア各地域で進めた土地政策の内容を考察し、さらに、そうした土地政策と香港等におけるイギリス植民地当局、1930-40年代に中国国民党・中国共産党が進めた土地政策との比較検討を行った。上記の史料調査、研究会での検討により、20世紀初頭の東アジア地域において、清朝皇室・旗人、朝鮮皇室、モンゴル王公らの有した土地の整理・解体が、「近代的」土地市場の形成をもたらす重要な契機となっていった点などを明らかにした。 研究会は外部の研究者も招聘し、本プロジェクトと関連するテーマについての報告を求めた。平成17年7月には中国復旦大学教授の朱蔭貴氏、同18年1月には明治学院大学の千葉正史氏から、それぞれ、「近代中国株式会社の資金調達について」「清末モンゴルにおける交通近代化構想」というタイトルで報告を受け、意見交換を行った。
|