研究課題/領域番号 |
15330073
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
服部 民夫 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (10238032)
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研究分担者 |
吉川 容 三井文庫, 研究員 (20201460)
高 龍秀 甲南大学, 経済学部, 教授 (40234687)
由井 常彦 文京学院大学, 経営学部, 教授 (10061847)
安倍 誠 アジア経済研究所, 教授
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キーワード | 韓国財閥 / 日本財閥 / 企業のサステイナビリティー / コーポレート・ガバナンス / 財閥解体 |
研究概要 |
本年度は日本側の韓国における現地調査(03年8月)、韓国側の日本における現地調査(04年2月)を実施し、同時期にソウルおよび東京においてワークショップを開催した。現地調査においてはそれぞれ相手国の財閥を中心とした企業経営の充分な把握を得られるように努力したが、日本側の韓国調査においては主として財閥の形態変化、ことに持株会社の解禁にともなうLGグループの持株会社への変容過程に焦点をあわせてヒアリングを行った。韓国側の調査においては最末期三井財閥の支配構造に関するヒアリングとともに、現代の日本企業における株式支配を通したガバナンスに焦点を当てたヒアリングを行った。 ソウルおよび東京におけるワークショップにおいては、前者では日本側から最末期日本財閥の変容と、財閥解体における各財閥の変容についての報告を行い、株式支配の重要性とともに、人的支配・経営人材の蓄積が財閥の変容に及ぼす大きな影響が指摘された。後者では韓国側から近年の財閥の変容に関する報告と財閥と非財閥企業における企業業績に関する報告があり、韓国における財閥化は経営パフォーマンスを悪化させるという財閥批判に対して経営業績においては有為な差が見出せないことが指摘された。この点は近年の韓国における公正取引委員会の財閥規制に関して一定の疑問を提出する重要な指摘である。 同時に、韓国の財閥および一般企業の株式所有構造と日本の財閥系大企業集団に関する資料および研究の収集を行った。韓国に関しては90年代後半以降の上場企業の所有に関する包括的なデータ、日本に関しては系列を含む大企業の株式所有に関するデータが集積された。
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