研究課題/領域番号 |
15330075
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
西口 敏宏 一橋大学, イノベーション研究センター, 教授 (20270928)
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研究分担者 |
辻田 素子 静岡産業大学, 経済学部, 専任講師 (40350920)
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キーワード | 組織間関係 / ネットワーク / 中小企業 / アウトソーシング / 社会システム / 産学官連携 / 日本:中国:米国:欧州 |
研究概要 |
従来の研究で一定の成果を収め、さらなる飛躍に向けて探索的調査を開始した初年度であった。 1.研究代表者の西口が中心になって数年がかりで取り組んできた日英蘭独での実態調査をベースに、『中小企業ネットワーク』(406頁)を有斐閣から刊行した。同書は、中小企業を取り巻く多種多様なネットワークに焦点を当て、そうしたネットワークの出現、存続、消滅を、4種類のレント(評判、中央コントロール、社会的埋め込み、情報共有と学習)の生成と変化のプロセスとして捉え、叙述、分析した。中小企業やネットワークに関する書物は多いが、同書は、理論的かつ実証的で、しかも国際比較の視点を織り込んでいる点に特徴がある。 2.西口は、米メリーランド大学(ワシントンD.C.郊外)に短期滞在し、新しいネットワーク理論を提唱している若手研究者らと交流を深め、ネットワーク理論に関する研究を進めた。 3.ベトナムのハノイ・ホーチミン(9月に2週間)、中国の蘇州(1月に1週間)、中国の青島・上海・温州(3月に2週間)を訪問し、成長著しいアジアの企業および地域についての探索的調査を行った。これらの調査を踏まえ、2年度以降は、(1)中国・蘇州に集結している台湾系IT産業の企業間関係、(3)中国最大の家電メーカー、ハイアール(青島市)、(3)温州で急成長している民営企業のネットワークについて、本格的な調査を実施する計画である。なお、ベトナムの調査結果は、関満博・長崎利幸編著『ベトナム/市場経済化と日本企業』(新評論、2004年4月刊行)の中で、詳しく報告した。 4.日本国内については、静岡県(浜松)および岩手県(花巻、北上、宮古)を中心に実態調査を続け、企業、大学、行政、NPOなどがメンバーとして参画する新しいネットワークを追った。そうした調査結果や調査で得られた知見は、適宜、別紙の雑誌論文等にまとめた。
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