研究課題
16年度は、中国の企業や政府に焦点を絞り、本格的な調査・研究に取り組んだ。充実した1年であった。1.研究代表者の西口は、米国のMassachusetts Institute of Technology(MIT)のCenter for International Studiesに、9月から12月にかけて滞在し、MITで開催されたセミナー等で「小世界理論は中国・温州の大変革を説明できるか」と題する中間報告を発表し、良好なフィードバックを得た。また、新しいネットワーク論を提唱している新進気鋭の研究者や、中国企業および中国人移民等に詳しい研究者らとの交流を深め、理論的かつ実証的な側面から、ネットワークに関する研究を進めた。2.15年度の中国・温州での探索的調査を踏まえ、温州人ネットワークの実態を追究した。中国・温州での調査のみならず、温州人が多いイタリアの2都市(ミラノ、プラトー)をも訪問し、温州人がどのような経緯でいかにしてイタリアに移住しどんな仕事をしているのか、同郷人ネツトワークはイタリアへの移住やそこでのビジネス立ち上げ等においてどのような機能を果たしているのかについて、詳細な調査を行った。3.さらに、温州の同郷人ネットワークの特性をより鮮明に理解するため、温州同様に華僑を多数輩出している福建省の福州、泉州、アモイを訪問し、政府や企業、大学等への聞き取り調査を実施、どのような同郷人ネットワークが存在しているのかを探り、温州との対比を試みた。4.温州企業への調査等で得られた、ネットワークのリワイヤリングやドポロジーに関する知見は、『朝日新聞』『一橋ビジネスレビュー』等に発表した。5.日本国内の企業間関係についても、15年度の静岡県(浜松市)および岩手県(花巻、北上)の実態調査を踏まえ、どのようなネットワークが新しい企業の創出や既存企業の事業転換に貢献しているかを論文にまとめた。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (4件)
地域からの経済再生(橘川武郎, 連合総合生活開発研究所(編))(有斐閣)
ページ: 159-189
ページ: 63-93
一橋ビジネスレビュー 52巻・4号
ページ: 22-38
日本経済新聞 4月21日
ページ: 29