研究課題
基盤研究(B)
本年度は、海外調査研究として2地域を行った。第1は中国・上海地方の企業(平成15年12月)を対象として、主にフォルクス・ワーゲン社との合弁企業である上海大衆汽車と国有企業である上海外高橋造船社及び家電のオランダフィリップ社の工場見学、経営スタッフ等への聞き取りを行い、生産システムの現状と課題、中国経済・産業に対する認識、日本企業との競争などについて研究を行った。第2は韓国・ソウル地方の企業(平成16年1月)を対象として、先ず現地のジェトロ駐在員から韓国経済の現状についての聞き取りを行い、次いで韓国中小企業振興公団から中小企業政策について特に海外進出についてのヒヤリングを行い、またキョンギ大学を訪問しNGO大学院教授との情報交換、嶺南大学研究員との研究会を開催した。国内調査としては、東海地方を対象とした企業調査(平成15年11月)を行う。主な企業はデンソー、大同特殊鋼及びトヨタ自動車の下請け工場であり、各社の生産プロセスと管理、経営戦略についてヒヤリングを行う、特に対東アジア展開の現況と将来展望、技術雨開発と新製品開発、親企業との関連に重点をおいた調査であった。また現地で同学の研究者と研究会を持ち、トヨタ自動車の経営戦略と東海地方の地場産業についての報告をしてもらい交流を進めた。海外の研究者との共同研究については、中国社会科学院張氏が来日(平成16年1月)し研究会を開催した。氏の報告は、中国自動車産業の展開についての現状分析であり、先に調査した上海と東海地方の研究と重なり大きな成果をあげたと考えている。また東北大学等の日本人研究者とも交流を深めた。但し他の一人の海外研究メンバーが中国政府より米国へ長期派遣となり来日できなかった。上記以外に国内での研究会を、4、7、8、10、1月と5回開催した。また成果の一部として、古賀義弘編著『日本産業と中国経済の新世紀』(唯学書房、平成16年3月)を出版した。以上
すべて その他
すべて 文献書誌 (1件)