研究課題
2004年度には、以下の2点を主に研究調査した。(1)代表的日本多国籍企業のひとつである、松下電器の海外現地法人を対象として、(1)本社の理念とミッションがどのように共有化されているか、(2)およびG.Hofstedeの5つの国民文化の分類軸(「男性度・女性度」、「短期的志向・長期的志向」、「権限格差の大小」、「不確実性の回避の大小」、「個人主義・集団主義」)がどの程度異なるかを調査した。今年度は、調査対象国を中国、タイ、マレーシア、シンガポールとし、これら諸国の松下現地法人13社、およびその他日本企業3社を訪問してインタビュー調査を行った。現在、これらの調査結果を、上記5つの国民化分類指標に依拠して、それぞれ1-5ポイント評価によって、定量化して表にまとめる作業の段階である。また、これらアジアの調査対象松下電器現地法人に対して内容確認のメールのやりとりを行っているところである。今回に調査を通じて、同一企業であるにもかかわらず、国民文化の差異だけではなく部署の違い、ジェンダーの違い、等々が組織文化と交じり合うことによって、同一の質問に対しても多様な受けとめかたと多様な回答が出される結果となった。2005年度の調査は、米国、欧州松下電器現地法人に対して行う予定となっている。これらの調査結果を解析し、AIB (Academy of International Business)のAnnual Conferenceにおいて報告する予定である。(2)データベースJICSTおよびINPADOCを利用して、米国特許および米国発行論文を検索し、エレクトロニクス系多国籍企業22社が研究開発をどこの国で行い、そしてこれらの国がどのような文化圏であるのかを分類した。2005年度は、この分析結果と(1)の国民文化指標とをクロスさせることによって、技術開発力ないし研究開発能力と文化的差異および文化的多様性との関連を明らかにしていく。
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AJBS, Proceeding of AJBS Annual Conference, Best Papers
ビジネスインパクト Vol.3
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