研究課題/領域番号 |
15330085
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研究機関 | 岡山商科大学 |
研究代表者 |
中井 透 岡山商科大学, 大学院・商学研究科, 教授 (50237202)
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研究分担者 |
柴川 林也 帝京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80082717)
赤岡 功 京都大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10025190)
小松 章 一橋大学, 大学院・商学研究科, 教授 (20008767)
佐々木 弘 放送大学, 教養学部, 教授 (30030711)
上林 憲雄 神戸大学, 大学院・経営学研究科, 助教授 (00243296)
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キーワード | 価値創造 / 企業価値 / 市場の全能性 / 米国型資本主義 / 日本型経営 / 環境変化 |
研究概要 |
研究期間の2年目となる本年度は、「価値創造経営」についての基本的な枠組みをもとに、初年度に引き続いて理論構築と実態調査を行った。 先ず、理論構築については、6回の研究会を開催して研究分担者間の問題意識の共有化に努めた。具体的には、04年5月に松尾睦氏が「ITプロフェッショナルの知識獲得と共有」、9月に三輪晋也氏が「外国人株主とストックオプション制に関する実証分析」、11月に浅井澄子氏が「情報産業の統合とモジュール化」、05年1月に中島巌氏(研究協力者)が「経営と労務-労務担当40年を振り返って」というテーマについてそれぞれ報告し、研究課題との関連や価値創造経営の概念形成について議論を重ねてきた。加えて8月には合宿討議を実施し、研究分担者のほぼ全員が研究報告を行い(各人の報告テーマは省略)、「市場環境」と「価値創造型企業」との間の双方向関係について、各自の専門領域の観点から、理論的枠組みの構築に努めた。 次いで、実態調査については、制度的側面からの実態把握と実地調査を行っている。制度的側面からの実態把握では、会計制度と人事評価制度について、それぞれの専門家を招いて報告いただいた。具体的には、監査法人トーマツ社員で公認会計士の川合弘泰氏から「会計制度の現状について」、ワトソンワイアットのコンサルタントである川上真史氏から「成果主義的制度の成功と失敗」というテーマで報告いただき、相互討議を行った。実地調査については、「価値創造経営」を実践していると評価できる6つの企業を訪問して、インタビュー等を通じて実態把握を行った。具体的には、04年5月に(株)東京ドーム、8月に三菱ガス化学(株)、9月に三浦工業(株)、11月にクレシア(株)および草加紙パック(株)、05年1月に(株)小倉屋柳本を訪問した。「価値創造」をキーワードに展開された各企業の経営者層とのディスカッションは、本研究が最も重要と考える「実践していく上で有用となる理論の構築」を行っていく上で非常に有意義なものであった。 なお、研究計画において掲げた研究分担者の役割分担(「政策研究担当」「理論構築担当」「実態調査担当」)については、役割間での壁を設けるよりも相互に関わった方が効率的であるとの見解に達しており、平成15年度に引き続き、3つの役割機能の必要性は認識しつつも、今後とも有機的な研究体制を敷く予定である。 平成15年度は、市村誠氏(中央大学)および松尾睦氏(小樽商科大学)を研究分担者に加え、研究体制を充実させている。
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