研究課題
基盤研究(B)
<研究経過と実績>本研究はアジア太平洋地域における高度な「知識」(knowledge)と「専門的能力」(Professional Skill)を身につけた先進的な人材像の具体的ありようを検証するとともに、その産業、社会における需要と供給の実態、システムを総合的に解明しようという試みとして取り組んでいる。初年である平成15年度は次のような項目について合同討議、現地調査、研究協力機関の発掘、文献調査などを行い、平成16年度に実施する予定の本調査にそなえた。各研究者による具体的な研究実績は次の通りである。(1)「知識人材」の基本概念の定式化外部からのヒアリングを含め合計5回の研究会を開き、対象とすべき「知識人材」の概念について検討と定式化に努め、知識産業社会のリーディング・パーソナリティーとして専門的知識、異文化対応力、情報処理能力、革新・指導能力、グローバル・アイといった項目について検討、次年度に実施する予定の聞き取り調査の基礎を固めた(主として井草、福谷、安、Xueが担当)(2)現地調査による「知識人材」の実態把握と研究協力機関の発掘研究参加者がアセアン主要国および中国、韓国について訪問調査し、産業界の人材需要動向、教育機関の育成指針などの把握に努めるとともに、本調査に協力可能な研究機関・団体などと接触して実態調査などのフレーム作り、提携調査の打診を行った。これにより研究ネットワークの形成が各地で具体的に進んだ。井草がインドネシア、福谷がタイ、ベトナム、劉が台湾、守野、Xueが中国、安が韓国、バイロンがシンガポールを担当して現地調査を行った。(3)先行研究の把握と情報発信国内外の大学、研究機関、各種専門家との接触により、国内外の人的資源問題、教育問題、技術革新と労働需要などの研究データの集積、関連書籍の収集と分析を進め、先行的にどのような研究アプローチがなされてきたかを全員で共有化する作業を行った。また、研究会独自のホームページを暫定的に立ち上げ、国内外の専門家との意見交換、情報発信の準備を進行させた。<今後の研究計画>上記平成15年度の研究成果を基礎に、平成16年度は、労働市場の最近動向、「知識人材」の需要と供給構造、技術革新と教育・人材育成などの課題についての事項別分析の深化に努めるとともに、国別に組織する研究ネットワークにより共同で実態調査、アンケート調査を実施し本調査を実施する予定。また、平成17年度には、調査結果を持ちよったワークショップも実施する予定。<付記事項>本調査に参加していた山浦雄三は平成16年度から本人の事情により参加を辞退する予定。なお、山浦の担当していた調査事項については主として井草が引き継いで調査する。
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