研究課題/領域番号 |
15330087
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
米山 高生 一橋大学, 大学院・商学研究科, 教授 (00175019)
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研究分担者 |
下和田 功 帝京大学, 経済学部, 教授 (10034860)
安田 豊 京都産業大学, 理学部, 講師 (30283899)
松井 剛 一橋大学, 大学院・商学研究科, 助教授 (70323912)
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キーワード | インターネット / ビジネスモデル / 保険募集 / 医療保険 |
研究概要 |
ネットワークを通して保険商品を販売し、その知見を下に、ビジネスモデルのあり方を研究するという当初の目的は、保険商品が規制商品であること、および保険会社のシステムの協力関係を築くことができなかったという現実的な困難から断念した。初年度のこの経験により、保険ネットワーク募集の難しさと規制のありうべき問題点を認識するという副産物を得た。 今年度は、ネットワーク完結型を断念し、保険会社の実務上に悪影響を及ぼさない範囲で部分的ネットワーク補完型を構築することを目指し、いちはやく実験に移れるように努力した。そのため夏には、協力会社、共同研究者、システム協力者が一同に会して研究会を行ない、今後の研究のあり方を議論した。しかし協力していただいた損害保険会社の事情(コンプライアンスのチェックの遅れおよび監督官庁の検査に伴うネットワーク完成の遅延)によりシステムの実装が1月になった。また実際に実験を開始すると認証システムなどに多少の問題があり、実験の本格的開始が2月となった。実験にともなうこれらの困難も、ひとつの経験情報として蓄積することができた。つまり、純技術的な可能性と現実のビジネスの間には、大きな懸隔があることは想定の範囲内のことではあったが、実際にそれらを経験することによって、実務に耐えうるシステムについて、一定の経験を得ることができた。 これらの問題を克服して、現在は、保険商品(女性用医療保険)の募集実験サイトが稼動しており、鋭意ログを収集中である。ログが収集され、分析する段階に至ったときに、再び合同研究会を行い、これまでの反省と新たな知見をめぐる議論を行う予定である。今後得られそうな成果は、消費者の購入行動の研究、保険商品とネットワークの親和性の検証、保険募集にかかるビジネスモデルの検討、技術的困難性の認識と克服方法などである。
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