研究課題/領域番号 |
15330087
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
米山 高生 一橋大学, 大学院・商学研究科, 教授 (00175019)
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研究分担者 |
下和田 功 帝京大学, 経済学部, 教授 (10034860)
安田 豊 京都産業大学, 理学部, 講師 (30283899)
松井 剛 一橋大学, 大学院商学研究科, 助教授 (70323912)
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キーワード | インターネット / ビジネスモデル / 保険募集 / リスク細分化保険 / 医療保険 |
研究概要 |
ネットワーク完結型のビジネスモデル実験は、規制商品である保険商品の場合において、不可能であることが分ったため、平成17年度は、保険会社の協力を得て、契約の実務については代理店に任せるというネットワーク販売実験システムを構築し、ログを収集した。 その結果、最初の実験では、解析するに足るようなアクセス数に達しなかった。その理由は、実験サイトが、保険会社のトップページからではなく、個々の代理店のHPからアクセスできるだけだったためであると考えた。保険会社のトップページに実験サイトをリンクすることにより、アクセス数の確保を試みたが、保険募集に大きな影響力を持つ代理店に対する実務上の配慮等により、現実にはトップページへのリンクは出来なかった。 その代替案として、有力代理店の開催するメーリングリストシステムにこの実験サイトの広告を出すことによって、アクセス数を確保するとともに、広告とアクセス数の間のダイナミックな変化を分析することにした。この実験のログ解析を進めており、その結果については成果報告書に発表する予定である。 なお今回の実験は、規制商品である保険について、産学協同でネットワーク販売を行うという意味では、わが国最初の試みであった。保険研究者からは、「無謀」な試みという批判もあったが、企業の協力を得られれば、学術的実験が可能であることを実証した点で意義があった。しかし当然のことながら、ほとんどの保険会社から実験の実施を断られるなど、初期には「失敗」の連続であり、実験そのものの実現が危ぶまれる時期があった。ただその過程で、インターネット技術を利用した保険のビジネスモデルを制約する諸条件として、販売規制が重要であることなどの、いくらかの知見が得られた。このように「失敗」から学んだことについても、研究の副産物として成果報告書に盛り込みたいと考えている。
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