研究課題/領域番号 |
15330089
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
陶山 計介 関西大学, 商学部, 教授 (40154629)
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研究分担者 |
藤本 寿良 大阪経済大学, 経営情報学部, 教授 (70140184)
川瀬 雅也 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (90224782)
岸谷 和広 関西大学, 商学部, 助教授 (40330170)
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キーワード | ブランド・コミュニケーション / 日英比較 / メーカー / 流通企業 / ナショナル・ブランド / プライベート・ブランド / ロイヤルティ / ストア・アイデンティティ |
研究概要 |
前年度に定式化した理論枠組みやそれにもとづく実証研究をふまえて、本年度も引き続きナショナル・ブランド(NB)やプライベート・ブランド(PB)におけるメーカーと小売企業のブランド・コミュニケーションに関する考察をより広く、かつより深く行った。 まずわが国における消費者のブランド・イメージや消費実態に関して360サンプルのアンケート調査を7月に実施し、その解析を進めた。牛乳、紅茶ティーバッグ、シャンプー、チョコレートなどの商品について統計的解析を進めた結果、欧米に比べて優位なポジションを確立できない日本のPBがそのポジションを改善するためには、ストア・アイデンティティが不可欠であること、知覚品質を向上させることが明らかになった。またブランド・ロイヤルティを形成する際に鍵概念となるのが、製品次元での便益評価であり、組織次元での企業イメージや明確かつ強力なストア・アイデンティティに立脚した店舗戦略やインストア・コミュニケーションが問題となることも示された。 次に、それと並行してほぼ同じ形式と内容でイギリスについても約300サンプルの訪問面接調査を専門の調査会社に委託して実施した。そしてこれについても日本で実施した調査結果と比較しながら単純集計やクロス集計レベルでの傾向と特徴を把握した。その結果、年齢、職業、所得、消費支出といった要因が品質認識、購買頻度、ブランド・ロイヤルティ、PB購入頻度と有意な関連を持つとともに、これが日英比較の際に注目すべきポイントになることが明らかになった。 以上二つの研究を通じて日英両国におけるNBとPBの対抗・協調関係、ブランド・コミュニケーション構造とそこにおける広告や店舗などの役割に関する実態と課題などが浮かび上がってきた。
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