研究課題
初年度に定式化した理論枠組み、2年目に実施した調査や実証研究をふまえて、本年度は最終年度ということでナショナル・ブランド(NB)やプライベート・ブランド(PB)におけるメーカーと小売企業のブランド・コミュニケーションに関する最終調査と全体的な取りまとめを行った。まず2年目に実施した日本でのアンケート調査について、牛乳、紅茶ティーバッグ、シャンプー、チョコレートなどの商品について統計的解析を進め、その成果を"Customer Loyalty to Private Brands in Japan"、"Customer Loyalty to PB/NB : Japan and UK"、"Development of Convenience Store System in Japan"と題して、EAERCD conference、EABR Conferenceや日本商業学会関西部会などで発表した。またアメリカでの調査については米国サンフランシスコ州立大学・ビジネスカレッジのR.Simeon助教授の協力を得て調査票を作成し、現地の専門調査会社に委託して実施した。これで日英米とほぼ同じ枠組みでの調査が一応完了し、その解析を通じて日英米三国におけるNBとPBの対抗・協調関係、ブランド・コミュニケーション構造とそこにおける広告や店舗などの役割に関する実態と課題などが浮かび上がってきた。さらにこれらの研究とは別に、ブランド・コミュニケーションの2つのタイプであるインストア・コミュニケーションとアウトストア・コミュニケーションを区別しながら、主に店頭での消費者のブランドやメーカーの選択行動に関する調査も実施した。そこではメーカーと流通企業が長期的・継続的なかたちでコラボレーションを進めていくなかで消費者に最適なコミュニケーション・ミックスを構築することの必要性が明らかになった。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (6件)
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