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2003 年度 実績報告書

コモンズと公共性の環境社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15330094
研究機関北海道大学

研究代表者

宮内 泰介  北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (50222328)

研究分担者 菅 豊  東京大学, 東洋文化研究所, 助教授 (90235846)
近藤 隆二郎  滋賀県立大学, 環境科学部, 助教授 (20263452)
家中 茂  沖縄大学, 地域研究所, 助教授 (50341673)
関 礼子  帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (80301018)
牧野 厚史  滋賀県立琵琶湖博物館, 主任学芸員 (10359268)
キーワード正統性 / シナリオ / あいまいさ / 創発性 / 重層性 / 身体性 / 歴史 / 正義
研究概要

本年度の研究は、(1)フィールドからの知見を、本研究の趣旨である"コモンズと公共性"という観点から照らしなおした報告を順次行い、同時に(2)コモンズと公共性についての理論的および政策論的な議論を行なった。数回にわたる研究会、共通のフィールドを歩く試み(沖縄本島および滋賀で実施)、さらにはメーリングリストを使った討論により、議論は非常に深まった。
知見としては、次の諸点が浮かび上がってきた。(1)コモンズを考えるときに、ある自然資源とある地域集団との間の一対一の資源管理上の関係に限定して考えるべきはなく、コモンズの重層性、身体性、さらにはダイナミズムへの視点が大事であること、(2)コモンズをめぐるルールやしくみは、実はあいまいであることが、その地域社会における創発性を喚起するということ、(3)環境における公共性を考えたとき、誰がその環境への権利をもち、誰がそれを認めるか、という問題、すなわち「正統性」の問題が鍵になるということ、(4)正統性の問題を考えるときに、注目すべきポイントとして、「正義」の問題、正統性の根拠としての「歴史」がどう生成されるかという問題、「発言力」の問題、「シナリオ」の生成と定着の問題、などがあること。
これらの成果を踏まえ、次年度は、当初の計画通り、研究成果の出版へ向けて、各人が論文を書き、それをもとに議論を行う予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 宮内泰介: "市民調査という可能性--調査の主体と方法を組み直す"社会学評論. 第53巻第4号. 566-578 (2003)

  • [文献書誌] 牧野厚史: "琵琶湖から鵜の山へ-カワウの問題がむすぶ二つのフィールド"エコソフィア. 第13号(印刷中). (2004)

  • [文献書誌] 関礼子: "生業活動と『かかわりの自然空間』-曖昧で不安定な河川空間をめぐって"国立歴史民俗博物館研究報告. 第105号. 57-87 (2003)

  • [文献書誌] 近藤隆二郎: "琵琶湖水環境保全の住民運動論-シナリオと社会実験のススメ-"滋賀県立大学環境科学部学部年報. 第8号(印刷中). (2004)

  • [文献書誌] 藤村美穂: "「在地性」の視点から農山村を考える"環境社会学研究. 9. 22-36 (2003)

  • [文献書誌] Minoura, Kazuya, Hiramatsu, Kozo: "How Do Residents Describe Symbolic Noise? : A Case Study of an Area of Traditional Textile Industry in Japan"Proceedings of inter-noise 2003. 3347-3354 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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