来年度の大量調査実施前に子ども間分配に関する有効な調査方法を企画するため、また調査地域の状況を把握するためにヒアリング(専門家)ならびにケーススタディを行った。東京と岩手で各4名計8名に介護と相続についてくわしい話をきくとともに、調査での設問のしかたについても意見をきいた。また、岩手で介護士に県の相続事情を話してもらった。これらの結果として、(1)調査対象者は60歳代が望ましい、(2)介護の対象は実父母、義父母と4ケースありうるが、そのうちどれに最も関与が大きいかはケース・バ・ケースである、(3)介護の歴史は10年近くにも及び、別居→同居などうよ曲折をたどることもある、(4)どのくらいの介護までをしたか、介護によって何を犠牲にしたか、が重要、(5)設問において呼称が錯綜するので工夫が必要、(6)兄弟の配偶者の親の介護まで関連してくることがある、(7)東京と岩手では家規範の残存の度合が非常にちがい、比較の価値がある、などがわかった。
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