研究課題/領域番号 |
15330099
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
富永 茂樹 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (30145213)
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研究分担者 |
山室 信一 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (10114703)
籠谷 直人 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (70185734)
田中 祐理子 京都大学, 人文科学研究所, 助手 (30346051)
藤原 辰史 京都大学, 人文科学研究所, 助手 (00362400)
斎藤 光 京都精華大学, 人文学部, 教授 (80211259)
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キーワード | 人口動態 / 消費文化 / 教育 / 大衆文化 / メディア / 《五月革命》 / 資本主義 |
研究概要 |
本研究の最終年度にあたった今年度は、前年までの研究活動の蓄積に基づいて、各員の研究成果の最終的な総合作業を進め、さらにその公表をはかった。これらの研究は主題のとおり60年代における生活様式、生活意識、生活環境を主には日本社会を対象に進められたが、その題材は代表者・分担者それぞれに多岐にわたった。この多彩な共同研究から浮かび上がったのは、「新生活が生成する」場としての60年代であり、しかし同時にその新生活が孕む空洞がすでにその姿をあらわしつつもあったようなこの時代の特異性であった。60年代のまとうこのふたつの性状は主題の違いを超えて研究代表者・分担者たちによって一致して認められたものであり、多様な視角からこの性状を包括的に捉えようというのが本年度の課題であった。これを目的として、定期的な研究会における口頭発表を重ね、各分担研究領域に関し、その問題設定の正確さと分析の方法の有効性について、相互に検討を進めた。そしてその一方で、60年代という時代について、これまでの研究活動の中で発見されてきた新たなる問題意識について、国内外の研究者を研究会へ招聘し、より広範囲な意見交換を試みるとともに、本研究の成果についての第三者的な点検の機会をつくるようにした。また、昨年度までに集められた第一次資料の整理も進めており(アナログ音源のデジタル化、貿易交渉史料の目録作成)、これは次年度以降にも継続して広く公開可能な形にすることも目指している。 そのうえで、これらと平行して昨年度から引き続いてニューズレターを発行し、研究活動の成果の迅速な公開に努める媒体としてきたが、それに加えて、研究代表者および分担者らによる論文を集成する研究成果報告書を一般書の形でも刊行する予定であり、その打合わせの場を設け、学術的な質はもとより、より広く社会に研究の成果を伝えることの出来る報告書となるよう努力している。
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