研究課題/領域番号 |
15330100
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
樫田 美雄 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (10282295)
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研究分担者 |
相野田 紀子 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (50064605)
寺嶋 吉保 徳島大学, 医学部, 講師 (20243686)
玉置 俊晃 徳島大学, 医学部, 教授 (80179879)
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キーワード | エスノメソドロジー / 会話分析 / 医療面接 / 模擬患者 / OSCE / 国際研究者交流 / イギリス / マレーシア |
研究概要 |
(1)行動科学用の動画データ収集・分析システムの構築努力を行った。ソニーが開発した「DVカム」方式による撮影システムを前提に、ダイキン工業の開発した文字起こしシステムである「モスピー(mospy)」を利用して、複数画像を同時に検討できる研究システムを共同開発しつつある。具体的には、メディア教育開発センターの複数画像同時呈示システムである「チャオ(ciao)」に「モスピー」作成のデータを組み合わせようとしている。 (2)実際の医療場面に対するデータ収集と検討は2企画並行で進行中である。まず、6月に某国立大学におけるSP(模擬患者)による医療面接訓練場面を撮影し、分析を進めている。ついで、2004年3月に、某国立大学における学部4年生向きのOSCEを撮影し、こちらも現在分析中である。医療面接においては、面接の課題に応じた臨床推論をしているとみえるか否かが、コミュニケーションの流れの上で重要ポイントになっているという事実が、判明しつつある。2004年中にはいずれも雑誌投稿の予定である。 (3)平成15年度には、海外の研究動向の確認作業として以下のことを行った。英国マンチェスター大学、マレーシア国クアラルンプールの国際医学大学での研究交流、および、関連文献の翻訳・検討である。このうち、D.Maynard博士の『Bad News, Good News』の翻訳原稿は、『医療場面の会話分析-悪いニュースをいかに伝えるか-』として2004年2月勁草書房から市販された。 (4)他の研究活動としては、日本保健医療社会学会でのシンポジウム報告(論文化されたものが、『保健医療社会学論集』に掲載済)。エスノメソドロジー医療研究に関する公開講演会の開催(この成果も『徳島大学社会科学研究』に掲載済)を行った。インフォームド・コンセント場面においては、同席者の関与程度が想像以上に大きいこと、エスノメソドロジーは医療研究の新しい方法として有用であると予想されるということなどを主張したところ、大きな仮響があった。
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